本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第14章 10 前に進む為に
翌朝7時――
ピピピピ……
7時にセットしたスマホのアラームが枕元で鳴った。
「う~ん」
手探りでスマホを探し出し、アラームを止めるとベッドからむくりと起き上がり、伸びをした。
カーテンの隙間からは明るい太陽の光が差し込んでいる。
「今朝はお天気みたいだな……」
ベッドから置きあがり、タンスからTシャツとジーンズに着替えると私は早速洗濯をする為に洗面所へ向かった――
「あ……コーヒーがない」
今日から薬の服用と、カフェインの摂取を取ろうと思っていたのに肝心のインスタントコーヒーが切れていることに気づいた。
「仕方ない……買ってこよう」
洗濯機のメモリーを見ても終了するまでにはあと30分はかかるし。ついでにサンドイッチでも買って朝ごはんにしよう。
小さな肩掛けショルダーバッグに財布とスマホを入れ、サンダルを履いてマンションを出たところで着信が入ってきた。相手は川口さんからだった。
「はい、もしもし?」
『おはよう、加藤さん』
電話越しから元気そうな川口さんの声が聞こえてきた。
「おはよう、川口さん。朝から元気だね?」
マンションのカギをガチャガチャ掛けながら挨拶を返す。
『それは当然だよ。朝から加藤さんの声を聞くことが出来るんだから』
「え?」
歩きながらスマホで話をしていた私は恥ずかしげもなく堂々と自分の気持ちを告げてくる川口さんの言葉に戸惑ってしまった。しかし、川口さんは私の戸惑いに気づく様子もなく話しかけてくる。
『加藤さんは今何してるの?』
「私? 今からコンビニへ行くところだよ?」
『え? コンビニへ?』
「うん、病院から定期的にカフェインを摂取するように言われていたんだけど、肝心のコーヒーを買い忘れていたから今から買いに行くところなの」
『そっか……実は駅前のカフェでコーヒーを豆から挽いて売っている店があるんだ。そこで売ってるコーヒーはなかなかカフェインが強いみたいだから、試してみたらどうかな?』
「え? そうなの? 知らなかった。川口さんはコーヒーに詳しかったの?」
『いや、俺はあまり詳しくないけど会社の先輩がコーヒー通の人がいて……ってやばいっ!』
「え? どうかしたの?」
『い、いや……もう家を出なくちゃいけない時間になっていたから』
「大変っ! それじゃすぐに切るね?」
『あ……待って!』
突如川口さんが大きな声を出した。
「何?」
『あ……えっと……仕事終わったら電話しても……構わないかな?』
「うん、いいよ」
『本当? ありがとう! それじゃあまた!』
受話器越しから嬉しそうな川口さんの声が聞こえてくる。……まさかそれくらいでそんなに喜ぶなんて。
「う、うん。それじゃまたね?」
スマホを切ると私はため息をついて空を見上げた。亮平……これが亮平が望んでいた事なんだよね? 私と川口さんが付き合う事が。でも彼は本当に私の事を思ってくれているみたいだし、大切にしてくれるかもしれない。片思いの不毛な恋をいつまでも患っているよりは余程……。
「駄目だな……こんな事考えているなんて。結局、亮平の事引きずってるって事じゃない。それに中途半端な気持ちで付き合っても川口さんに悪いし……」
そうだ。やっぱりもう一度お姉ちゃんと亮平を恋人同士の関係に戻してあげれば私は今度こそ亮平の事を吹っ切れる気がする。その為には……。
「私があの時みたいに2人の仲を取り持てばいいんだ」
うん。そうしよう。2人が恋人同士……もしくは結婚まで決めてくれれば私は亮平の事を吹っ切れて前に進むことが出来る。
「うん、そうしよう」
気づけば私は自分の決意を口にしていた――
ピピピピ……
7時にセットしたスマホのアラームが枕元で鳴った。
「う~ん」
手探りでスマホを探し出し、アラームを止めるとベッドからむくりと起き上がり、伸びをした。
カーテンの隙間からは明るい太陽の光が差し込んでいる。
「今朝はお天気みたいだな……」
ベッドから置きあがり、タンスからTシャツとジーンズに着替えると私は早速洗濯をする為に洗面所へ向かった――
「あ……コーヒーがない」
今日から薬の服用と、カフェインの摂取を取ろうと思っていたのに肝心のインスタントコーヒーが切れていることに気づいた。
「仕方ない……買ってこよう」
洗濯機のメモリーを見ても終了するまでにはあと30分はかかるし。ついでにサンドイッチでも買って朝ごはんにしよう。
小さな肩掛けショルダーバッグに財布とスマホを入れ、サンダルを履いてマンションを出たところで着信が入ってきた。相手は川口さんからだった。
「はい、もしもし?」
『おはよう、加藤さん』
電話越しから元気そうな川口さんの声が聞こえてきた。
「おはよう、川口さん。朝から元気だね?」
マンションのカギをガチャガチャ掛けながら挨拶を返す。
『それは当然だよ。朝から加藤さんの声を聞くことが出来るんだから』
「え?」
歩きながらスマホで話をしていた私は恥ずかしげもなく堂々と自分の気持ちを告げてくる川口さんの言葉に戸惑ってしまった。しかし、川口さんは私の戸惑いに気づく様子もなく話しかけてくる。
『加藤さんは今何してるの?』
「私? 今からコンビニへ行くところだよ?」
『え? コンビニへ?』
「うん、病院から定期的にカフェインを摂取するように言われていたんだけど、肝心のコーヒーを買い忘れていたから今から買いに行くところなの」
『そっか……実は駅前のカフェでコーヒーを豆から挽いて売っている店があるんだ。そこで売ってるコーヒーはなかなかカフェインが強いみたいだから、試してみたらどうかな?』
「え? そうなの? 知らなかった。川口さんはコーヒーに詳しかったの?」
『いや、俺はあまり詳しくないけど会社の先輩がコーヒー通の人がいて……ってやばいっ!』
「え? どうかしたの?」
『い、いや……もう家を出なくちゃいけない時間になっていたから』
「大変っ! それじゃすぐに切るね?」
『あ……待って!』
突如川口さんが大きな声を出した。
「何?」
『あ……えっと……仕事終わったら電話しても……構わないかな?』
「うん、いいよ」
『本当? ありがとう! それじゃあまた!』
受話器越しから嬉しそうな川口さんの声が聞こえてくる。……まさかそれくらいでそんなに喜ぶなんて。
「う、うん。それじゃまたね?」
スマホを切ると私はため息をついて空を見上げた。亮平……これが亮平が望んでいた事なんだよね? 私と川口さんが付き合う事が。でも彼は本当に私の事を思ってくれているみたいだし、大切にしてくれるかもしれない。片思いの不毛な恋をいつまでも患っているよりは余程……。
「駄目だな……こんな事考えているなんて。結局、亮平の事引きずってるって事じゃない。それに中途半端な気持ちで付き合っても川口さんに悪いし……」
そうだ。やっぱりもう一度お姉ちゃんと亮平を恋人同士の関係に戻してあげれば私は今度こそ亮平の事を吹っ切れる気がする。その為には……。
「私があの時みたいに2人の仲を取り持てばいいんだ」
うん。そうしよう。2人が恋人同士……もしくは結婚まで決めてくれれば私は亮平の事を吹っ切れて前に進むことが出来る。
「うん、そうしよう」
気づけば私は自分の決意を口にしていた――