本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第14章 16 もう一度恋人同士に
亮平の慌てた様子に、こっちの機がそがれてしまった。
「何? どうしたの? そんなに慌てた様子で……」
『鈴音、お前今一体どこにいるんだ?』
「え?」
一体亮平は突然何を言いだすのだろう。
「どこって……自分のマンションだけど?」
『あいつの……川口のマンションじゃないのか?』
「え? そんなわけないでしょう?」
『本当だろうな……?』
何でここで念を押されなくちゃならないのだろう。一体亮平は私の事をどいう言う目で見ているのか理解できない。それに仮に私が川口さんのマンションにいたとして、それが亮平に関係あるのだろうか?
「あたりまえでしょう? 大体こんな遅い時間だし。それに明日から仕事が始まるから早く寝ないといけないんだからね」
『……何だよ。だったら俺なんかに電話していないでさっさと寝ればいいだろう?』
今夜の亮平はどうしてこんなに喧嘩腰なのだろう? お姉ちゃんが相手なら絶対にこんな事にはならないわけだし……。
そこまで考えて気が付いた。
ひょっとすると亮平の機嫌が悪いのはお姉ちゃんが原因かもしれない。お姉ちゃんは亮平と恋人同士だった過去をすっかり忘れている。その為に亮平はお姉ちゃんと恋人らしく時間を過ごす事が出来なくなってしまった。やっぱりここは私が2人に仲を取り持って、以前のような関係に戻してあげるのが一番いいのかもしれない。でも今はとりあえず川口さんの事を話しておかないと。
「亮平。もう川口さんには電話をかけないで」
『え? なんでお前にそんな事言われなくちゃならないんだ?』
その言葉にムッときたけど、私は自分を抑え込む。
「2人が友達同士って言うなら電話をするのは止めないけど、どう見てもそうは思えないんだもの。どうせ私の事で彼に文句を言うために電話をかけているだけなんでしょう? もう彼には迷惑かけないで」
すると亮平から驚くべき言葉が飛び出してきた。
『鈴音……お前、今川口の事『彼』って言ったな? やっぱり2人はもう付き合っていたんだろう!?』
まただ……亮平はどうしても私と川口さんが付き合っていると思いたいようだ。
「だったらどうなの?」
『え?』
「仮に私が川口さんと交際を始めたからと言って亮平には何も関係無いでしょう?」
『あ、ああ……確かにそうなんだけど……』
「とにかく、もう川口さんには電話を掛けないで。お願い」
『わ、分かったよ……』
亮平は嫌々承諾しているような返事をした。
「ありがとう、その代わり私がもう一度お姉ちゃんと恋人同士の関係に戻れるように橋渡しするから」
『え? 本気で言ってるのか?』
「うん。本気だよ」
『そうか……』
何故か電話越しから聞こえてくる亮平の声に元気がない。
「何? お姉ちゃんと恋人同士に戻りたくないの?」
『そんなことは無い。ただ……忍にはもう好きな男がいるみたいだし……』
「ひょっとしてケースワーカーさんの事?」
『ああ』
「でも服部さんはお姉ちゃんの事をそういう目で見ているかどうか分からないし……」
それにお姉ちゃんと亮平が元のさやに納まってくれなければ、私だっていつまでたっても亮平に対する気持ちを引きずったままで前に進めない。
「とにかくお姉ちゃんとのことは私が何とかするから。その代りにもう川口さんには関わらないでね?」
『わ、分かったよ……』
ため息をつきながら返事をする声が聞こえてきた。
「それじゃ、電話切るね。お休みなさい」
『お休み……』
ピッ
通話を切って時計を見ると時刻は23時になろうとしている。
「明日の為にもう寝なくちゃ」
スマホのアラームを午前6時にセットして部屋の電気を消した私はベッドにもぐりこむと、すぐに深い眠りへとついた――
「何? どうしたの? そんなに慌てた様子で……」
『鈴音、お前今一体どこにいるんだ?』
「え?」
一体亮平は突然何を言いだすのだろう。
「どこって……自分のマンションだけど?」
『あいつの……川口のマンションじゃないのか?』
「え? そんなわけないでしょう?」
『本当だろうな……?』
何でここで念を押されなくちゃならないのだろう。一体亮平は私の事をどいう言う目で見ているのか理解できない。それに仮に私が川口さんのマンションにいたとして、それが亮平に関係あるのだろうか?
「あたりまえでしょう? 大体こんな遅い時間だし。それに明日から仕事が始まるから早く寝ないといけないんだからね」
『……何だよ。だったら俺なんかに電話していないでさっさと寝ればいいだろう?』
今夜の亮平はどうしてこんなに喧嘩腰なのだろう? お姉ちゃんが相手なら絶対にこんな事にはならないわけだし……。
そこまで考えて気が付いた。
ひょっとすると亮平の機嫌が悪いのはお姉ちゃんが原因かもしれない。お姉ちゃんは亮平と恋人同士だった過去をすっかり忘れている。その為に亮平はお姉ちゃんと恋人らしく時間を過ごす事が出来なくなってしまった。やっぱりここは私が2人に仲を取り持って、以前のような関係に戻してあげるのが一番いいのかもしれない。でも今はとりあえず川口さんの事を話しておかないと。
「亮平。もう川口さんには電話をかけないで」
『え? なんでお前にそんな事言われなくちゃならないんだ?』
その言葉にムッときたけど、私は自分を抑え込む。
「2人が友達同士って言うなら電話をするのは止めないけど、どう見てもそうは思えないんだもの。どうせ私の事で彼に文句を言うために電話をかけているだけなんでしょう? もう彼には迷惑かけないで」
すると亮平から驚くべき言葉が飛び出してきた。
『鈴音……お前、今川口の事『彼』って言ったな? やっぱり2人はもう付き合っていたんだろう!?』
まただ……亮平はどうしても私と川口さんが付き合っていると思いたいようだ。
「だったらどうなの?」
『え?』
「仮に私が川口さんと交際を始めたからと言って亮平には何も関係無いでしょう?」
『あ、ああ……確かにそうなんだけど……』
「とにかく、もう川口さんには電話を掛けないで。お願い」
『わ、分かったよ……』
亮平は嫌々承諾しているような返事をした。
「ありがとう、その代わり私がもう一度お姉ちゃんと恋人同士の関係に戻れるように橋渡しするから」
『え? 本気で言ってるのか?』
「うん。本気だよ」
『そうか……』
何故か電話越しから聞こえてくる亮平の声に元気がない。
「何? お姉ちゃんと恋人同士に戻りたくないの?」
『そんなことは無い。ただ……忍にはもう好きな男がいるみたいだし……』
「ひょっとしてケースワーカーさんの事?」
『ああ』
「でも服部さんはお姉ちゃんの事をそういう目で見ているかどうか分からないし……」
それにお姉ちゃんと亮平が元のさやに納まってくれなければ、私だっていつまでたっても亮平に対する気持ちを引きずったままで前に進めない。
「とにかくお姉ちゃんとのことは私が何とかするから。その代りにもう川口さんには関わらないでね?」
『わ、分かったよ……』
ため息をつきながら返事をする声が聞こえてきた。
「それじゃ、電話切るね。お休みなさい」
『お休み……』
ピッ
通話を切って時計を見ると時刻は23時になろうとしている。
「明日の為にもう寝なくちゃ」
スマホのアラームを午前6時にセットして部屋の電気を消した私はベッドにもぐりこむと、すぐに深い眠りへとついた――