本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第15章 1 事故後の初出勤
午前6時――
ピピピピ……
スマホのアラームが鳴っている……。
「う~ん……」
手探りでスマホを探し、手に触れたところでアラームを止めた。
「もう朝か……」
ベッドから起き上がり、大きく伸びをすると一度だけ欠伸をした。
「さて、今日から仕事だ」
自分に言い聞かせると、私は早速ベッドから降りて朝の支度を始めた――
7時半――
朝ごはんを食べた後の後片付けをすまし、洗い終えた洗濯を干しているときにスマホの着信音が部屋に鳴り響いた。着信相手はやはり川口さんからだった。
ピッ
スマホをタップして電話を取った。
「もしもし?」
『おはよう、加藤さん』
朝から元気のよい川口さんの声が聞こえてくる。
「うん、おはよう」
『どう? 体調の方は?』
「大丈夫だよ、薬も飲んだしこれからコーヒーも飲むところだから。あ、それでね、今日仕事の帰りに川口さんが教えてくれた駅前のカフェによってコーヒー豆を買って挽いてもらおうかと思って」
『そうなんだ。あの店は結構遅い時間まで空いているからね。ところで今日は何時に家出るの?』
「8時には出るよ。今日は早番だしね」
『そうか、それじゃ忙しいね。ごめん、切るよ。それじゃまた夜に電話入れさせてもらっていいかい?』
「うん。いいよ」
『ありがとう、それじゃ』
「うん、また」
そして電話が切れた。そこで私は再び洗濯物を干し始めた―。
8時、久しぶりに通勤着を着た私は姿見の前で立ってみた。白い丸首のブラウスにベージュのパンツ姿。
「うん、大丈夫そうかな?」
久しぶりの仕事だからどこかおかしなところは無いか確認してみたけど、問題はなさそうだ。
「それじゃ、行きますか」
自分に気合を入れる為に言葉に出すと、床に置いたブラウンカラーのトートバックを肩にかけ、私は玄関を後にした――
8時40分に職場に到着した私は早速カギを開けて久しぶりに開店の準備をしていると背後から声をかけられた。
「加藤さん!」
その声に振り向くと、同期の井上君が私をじっと見つめていた。
「あ、お・おはよう……」
久しぶりに会って、なんとなく照れ臭くなった私は髪をかき上げながら挨拶した。
「良かった……また一緒に働けるようになって」
心無なしか井上君の目が涙ぐんでいる。
「え……? も、もしかして泣いてるの……?」
「!」
途端に井上君は真っ赤な顔になった。
「加藤さんは中に入って休んでいなよ。開店準備なら俺がするからさ」
「あ、ありがとう……」
すると井上君は何も言わず、笑顔を向けた――
ロッカールームへ行き、久々に制服に着替えていると2つ上の女性先輩が入ってきた。
「あ、先輩。おはようございます」
「まあ……加藤さん、おはよう。そう言えば今日から出勤だったわね? どう? 体調の方は?」
「はい。今のところ問題ないです。ただ……制服が…」
「まあ……随分ぶかぶかになってしまったのね。ただでさえ細かったのさらに痩せちゃったのね。本当に私のお肉を分けてあげたいわ」
「そんな。先輩位の体系が一番丁度いいんですよ? とりあえず、ウェスト部分は安全ピンで止めておくことにします」
私は今にもずり落ちそうになっているタイトスカートを押さえた。
「そうね。9時過ぎたら本社に電話を入れて制服を送ってもらった方がいいかもしれないわ」
その後、私と先輩は着替えながら世間話をし、仕事場へ向かった。
職場の人たちは皆私の姿を見ると、職場復帰のお祝いの言葉をくれて温かく迎えてくれた。そして係長からはしばらくは後方に下がって、電話応対や事務作業をしてくれればよいからと言われた。
良かった……この職場の人たちが皆良い人たちばかりで……。
こうして今日1日、私は内勤の仕事を退社時間まで続けた――
午後6時――
「加藤さん。もう退社時間だから帰って大丈夫だよ」
PCに向かって仕事をしていると、奥の席に座ってる係長から声をかけられた。
「はい、ありがとうございます」
PCの電源を消して帰り支度をしていると井上君が声をかけてきた。
「加藤さん。俺も退勤だから駅まで一緒に帰ろうよ」
「うん、いいよ」
するとそれを冷やかす太田先輩。
「仲がいいな、2人は」
「ええ、そうですね。同期ですから」
井上君が答えると、太田先輩は井上君を肘で小突きながら何事かを彼の耳元で囁いている。
「それじゃ、先に行って着替えてきます」
「ああ、お疲れさま」
太田先輩はにこやかに手を振ってくれた。
その後、係長に挨拶を済ませると着替えをする為にロッカールームへと向かった――
ピピピピ……
スマホのアラームが鳴っている……。
「う~ん……」
手探りでスマホを探し、手に触れたところでアラームを止めた。
「もう朝か……」
ベッドから起き上がり、大きく伸びをすると一度だけ欠伸をした。
「さて、今日から仕事だ」
自分に言い聞かせると、私は早速ベッドから降りて朝の支度を始めた――
7時半――
朝ごはんを食べた後の後片付けをすまし、洗い終えた洗濯を干しているときにスマホの着信音が部屋に鳴り響いた。着信相手はやはり川口さんからだった。
ピッ
スマホをタップして電話を取った。
「もしもし?」
『おはよう、加藤さん』
朝から元気のよい川口さんの声が聞こえてくる。
「うん、おはよう」
『どう? 体調の方は?』
「大丈夫だよ、薬も飲んだしこれからコーヒーも飲むところだから。あ、それでね、今日仕事の帰りに川口さんが教えてくれた駅前のカフェによってコーヒー豆を買って挽いてもらおうかと思って」
『そうなんだ。あの店は結構遅い時間まで空いているからね。ところで今日は何時に家出るの?』
「8時には出るよ。今日は早番だしね」
『そうか、それじゃ忙しいね。ごめん、切るよ。それじゃまた夜に電話入れさせてもらっていいかい?』
「うん。いいよ」
『ありがとう、それじゃ』
「うん、また」
そして電話が切れた。そこで私は再び洗濯物を干し始めた―。
8時、久しぶりに通勤着を着た私は姿見の前で立ってみた。白い丸首のブラウスにベージュのパンツ姿。
「うん、大丈夫そうかな?」
久しぶりの仕事だからどこかおかしなところは無いか確認してみたけど、問題はなさそうだ。
「それじゃ、行きますか」
自分に気合を入れる為に言葉に出すと、床に置いたブラウンカラーのトートバックを肩にかけ、私は玄関を後にした――
8時40分に職場に到着した私は早速カギを開けて久しぶりに開店の準備をしていると背後から声をかけられた。
「加藤さん!」
その声に振り向くと、同期の井上君が私をじっと見つめていた。
「あ、お・おはよう……」
久しぶりに会って、なんとなく照れ臭くなった私は髪をかき上げながら挨拶した。
「良かった……また一緒に働けるようになって」
心無なしか井上君の目が涙ぐんでいる。
「え……? も、もしかして泣いてるの……?」
「!」
途端に井上君は真っ赤な顔になった。
「加藤さんは中に入って休んでいなよ。開店準備なら俺がするからさ」
「あ、ありがとう……」
すると井上君は何も言わず、笑顔を向けた――
ロッカールームへ行き、久々に制服に着替えていると2つ上の女性先輩が入ってきた。
「あ、先輩。おはようございます」
「まあ……加藤さん、おはよう。そう言えば今日から出勤だったわね? どう? 体調の方は?」
「はい。今のところ問題ないです。ただ……制服が…」
「まあ……随分ぶかぶかになってしまったのね。ただでさえ細かったのさらに痩せちゃったのね。本当に私のお肉を分けてあげたいわ」
「そんな。先輩位の体系が一番丁度いいんですよ? とりあえず、ウェスト部分は安全ピンで止めておくことにします」
私は今にもずり落ちそうになっているタイトスカートを押さえた。
「そうね。9時過ぎたら本社に電話を入れて制服を送ってもらった方がいいかもしれないわ」
その後、私と先輩は着替えながら世間話をし、仕事場へ向かった。
職場の人たちは皆私の姿を見ると、職場復帰のお祝いの言葉をくれて温かく迎えてくれた。そして係長からはしばらくは後方に下がって、電話応対や事務作業をしてくれればよいからと言われた。
良かった……この職場の人たちが皆良い人たちばかりで……。
こうして今日1日、私は内勤の仕事を退社時間まで続けた――
午後6時――
「加藤さん。もう退社時間だから帰って大丈夫だよ」
PCに向かって仕事をしていると、奥の席に座ってる係長から声をかけられた。
「はい、ありがとうございます」
PCの電源を消して帰り支度をしていると井上君が声をかけてきた。
「加藤さん。俺も退勤だから駅まで一緒に帰ろうよ」
「うん、いいよ」
するとそれを冷やかす太田先輩。
「仲がいいな、2人は」
「ええ、そうですね。同期ですから」
井上君が答えると、太田先輩は井上君を肘で小突きながら何事かを彼の耳元で囁いている。
「それじゃ、先に行って着替えてきます」
「ああ、お疲れさま」
太田先輩はにこやかに手を振ってくれた。
その後、係長に挨拶を済ませると着替えをする為にロッカールームへと向かった――