本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第16章 4 衝撃的な写真
「うん、やっぱり話題になっているだけあって美味いな」
亮平は満足げに料理を食べている。だけどこっちは食事を楽しむ余裕なんて無かった。何故亮平がこんな真似をするのか謎だったし、いくら尋ねてみても、まずは食事をしてからだと言ってちっとも本題を話してくれないのだから。
「何だよ、鈴音。あんまり食が進んでいないじゃないか。以前のガリガリの体型に比べれば少しは肉がついてきたみたいだけど、まだまだお前は痩せ過ぎだよ。ちゃんと食べろよ」
黙って聞いていれば随分失礼な事を言われている気がする。
「そんな事無いよ、ちゃんと食べているから大丈夫だよ」
「そうか? あー美味かった」
気付けばすでに亮平は食事を終えていた。
「嘘! もう食べ終わったの?」
「ああ、鈴音はまだ半分位しか食べ終えていないのか? まあいい、俺に気にせずにゆっくり食べろよ。ワインでも飲んで待ってるから」
そして亮平は自分でグラスにワインをトクトクと注ぐグイッと一気に飲んだ。その姿を見て私はピンときた。もしかしたら亮平は今から話しにくい内容の話をするのではないかと。だてに子供の頃からの付き合いじゃない。亮平は何か話をしにくい時になるとよくお酒を事前に一気飲みしていた。
「ふう〜」
トンと空になったグラスをテーブルの上に置くと亮平が尋ねてきた。
「鈴音、最近川口と会ってるか?」
「え?」
パスタを口に運びかけた時、いきなり亮平から直人さんの名前が出てきてドキリとした。
「そ、それは……」
確かに直人さんとは1週間ほど会えていないけれども、何故突然そんな話を亮平がしてくるのだろう?
「やっぱり会っていないんだな……」
亮平は私の反応で気づいたのか、再びグラスにワインを注ぐとまた一気に飲み干した。
「ねえ、ちょっと飲み過ぎだよ。そんなに飲んで大丈夫なの?」
「それよりお前こそ大丈夫なのか?」
「何が?」
「だって川口と……彼氏と音信不通なんだろう?」
「音信不通ってそんな大袈裟な。たった1週間ほど会えないだけだよ? それに電話連絡ならしてるもの」
「何だって!? 1週間も会っていないのかっ!?」
「う、うん。でもその前にこれから色々忙しくなるから、私と会えなくなるかもしれないって話は聞かされていたから……」
「鈴音、お前そんな話本当に信じてるのか?」
「え?」
「あいつの話、全て信じてるのかって聞いてるんだよ」
「亮平……一体何の話をしているの……?」
すると亮平は突然自分の持っていたビジネスバッグからスマホを取り出した。
「?」
訳も分からずに首を傾げると、亮平はスマホを操作して、私の前のテーブルに黙って置いた。
「え……?」
スマホに写っているのは画像だった。そこに写っていたのはスーツを着た直人さんだった。場所はどこかの喫茶店のように見えた。そして直人さんの向かい側には上品なワンピーススーツを着た綺麗な女性が写っていた。
「!?」
気づけば亮平のスマホを握りしめ、食い入るようにスマホの画像を見ていた。直人さんはなんとも言えない微妙な表情をして写ってはいたが、女性の方は笑顔で直人さんを見つめている。2人とも……何ていうかお似合いだった。
「う、嘘……」
すると亮平が口を開いた。
「今から4日前の事だ。俺は会社の外回りをしていて休憩の為に喫茶店へ入ったんだ。その時に見覚えのある男が座っていたんだよ。相手の女は親し気に川口に話しかけていたっけな……何ていうか普通の関係には見えなかった。それで悪いとは思ったが写真を撮ったんだ」
亮平の言葉がどこか遠くで聞こえる気がする。
「そ、そんな……」
直人さん……忙しいからと言って会えなかった間に別の女性と……? 私の事はもう嫌になったって事なのかな……?
思わず目頭が熱くなったけど、亮平の前ではこんな情けない顔見られたくない。
「あ、ありがとう……亮平、教えてくれて……」
震えながら亮平にスマホを返した。
「おい? 鈴音、お前一体これからどうするんだよ?」
「……」
私は返事が出来なかった。これからどうする? 今日は私から連絡入れているのに電話もメールの返信も無いのに? もし会いに行って迷惑そうな顔されたら? 拒絶されたら?
それどころか相手の女性がマンションにいたら? 私はそんな場面に出くわすなんて耐えられない。だったら、このまま黙って身を引いたほうがずっとマシだ。だって今まで私はそうやって何度も何度も亮平が誰かと交際するのを見る度に耐えて来たのだから。
「私からは……何もする事はないよ……」
気づけば涙がぽたりとテーブルの上に落ちていた――
亮平は満足げに料理を食べている。だけどこっちは食事を楽しむ余裕なんて無かった。何故亮平がこんな真似をするのか謎だったし、いくら尋ねてみても、まずは食事をしてからだと言ってちっとも本題を話してくれないのだから。
「何だよ、鈴音。あんまり食が進んでいないじゃないか。以前のガリガリの体型に比べれば少しは肉がついてきたみたいだけど、まだまだお前は痩せ過ぎだよ。ちゃんと食べろよ」
黙って聞いていれば随分失礼な事を言われている気がする。
「そんな事無いよ、ちゃんと食べているから大丈夫だよ」
「そうか? あー美味かった」
気付けばすでに亮平は食事を終えていた。
「嘘! もう食べ終わったの?」
「ああ、鈴音はまだ半分位しか食べ終えていないのか? まあいい、俺に気にせずにゆっくり食べろよ。ワインでも飲んで待ってるから」
そして亮平は自分でグラスにワインをトクトクと注ぐグイッと一気に飲んだ。その姿を見て私はピンときた。もしかしたら亮平は今から話しにくい内容の話をするのではないかと。だてに子供の頃からの付き合いじゃない。亮平は何か話をしにくい時になるとよくお酒を事前に一気飲みしていた。
「ふう〜」
トンと空になったグラスをテーブルの上に置くと亮平が尋ねてきた。
「鈴音、最近川口と会ってるか?」
「え?」
パスタを口に運びかけた時、いきなり亮平から直人さんの名前が出てきてドキリとした。
「そ、それは……」
確かに直人さんとは1週間ほど会えていないけれども、何故突然そんな話を亮平がしてくるのだろう?
「やっぱり会っていないんだな……」
亮平は私の反応で気づいたのか、再びグラスにワインを注ぐとまた一気に飲み干した。
「ねえ、ちょっと飲み過ぎだよ。そんなに飲んで大丈夫なの?」
「それよりお前こそ大丈夫なのか?」
「何が?」
「だって川口と……彼氏と音信不通なんだろう?」
「音信不通ってそんな大袈裟な。たった1週間ほど会えないだけだよ? それに電話連絡ならしてるもの」
「何だって!? 1週間も会っていないのかっ!?」
「う、うん。でもその前にこれから色々忙しくなるから、私と会えなくなるかもしれないって話は聞かされていたから……」
「鈴音、お前そんな話本当に信じてるのか?」
「え?」
「あいつの話、全て信じてるのかって聞いてるんだよ」
「亮平……一体何の話をしているの……?」
すると亮平は突然自分の持っていたビジネスバッグからスマホを取り出した。
「?」
訳も分からずに首を傾げると、亮平はスマホを操作して、私の前のテーブルに黙って置いた。
「え……?」
スマホに写っているのは画像だった。そこに写っていたのはスーツを着た直人さんだった。場所はどこかの喫茶店のように見えた。そして直人さんの向かい側には上品なワンピーススーツを着た綺麗な女性が写っていた。
「!?」
気づけば亮平のスマホを握りしめ、食い入るようにスマホの画像を見ていた。直人さんはなんとも言えない微妙な表情をして写ってはいたが、女性の方は笑顔で直人さんを見つめている。2人とも……何ていうかお似合いだった。
「う、嘘……」
すると亮平が口を開いた。
「今から4日前の事だ。俺は会社の外回りをしていて休憩の為に喫茶店へ入ったんだ。その時に見覚えのある男が座っていたんだよ。相手の女は親し気に川口に話しかけていたっけな……何ていうか普通の関係には見えなかった。それで悪いとは思ったが写真を撮ったんだ」
亮平の言葉がどこか遠くで聞こえる気がする。
「そ、そんな……」
直人さん……忙しいからと言って会えなかった間に別の女性と……? 私の事はもう嫌になったって事なのかな……?
思わず目頭が熱くなったけど、亮平の前ではこんな情けない顔見られたくない。
「あ、ありがとう……亮平、教えてくれて……」
震えながら亮平にスマホを返した。
「おい? 鈴音、お前一体これからどうするんだよ?」
「……」
私は返事が出来なかった。これからどうする? 今日は私から連絡入れているのに電話もメールの返信も無いのに? もし会いに行って迷惑そうな顔されたら? 拒絶されたら?
それどころか相手の女性がマンションにいたら? 私はそんな場面に出くわすなんて耐えられない。だったら、このまま黙って身を引いたほうがずっとマシだ。だって今まで私はそうやって何度も何度も亮平が誰かと交際するのを見る度に耐えて来たのだから。
「私からは……何もする事はないよ……」
気づけば涙がぽたりとテーブルの上に落ちていた――