本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第18章 18 タイミング
太田先輩からの告白の返事……正直に言うと困った。どうすればいいんだろう? 確かに先輩は優しくて頼りがいがあるけれど、私は直人さんと別れたばかり。それに今までただの職場の先輩としてしか見たことは無かったし、まさか先輩が私に好意を持っていたなんて思いもしなかったから急に告白されても戸惑うばかりだった。
「……分らない。だって太田先輩は確かに尊敬できる先輩だけど、仕事上での先輩の事しか知らないから……」
『そ、それじゃ……?』
「返事は急がなくていいって言われているから、一応保留って事で……」
『保留……保留かぁ……』
「で、でもお願いっ! 絶対に、誰にも今の話ししないでねっ! まして太田先輩に直に言うなんて絶対に駄目だからっ!」
『当り前だろ!? いくら俺だってそんな話先輩に言えるはずないじゃないかっ!』
「ああ、良かったぁ……それで私に何か用があって電話してきたんだよね? 要件は何だったの?」
『ああ。実は新年会の話しだったんだ。一応1月10日にどうかと思ったんだけど……時間は午後8時で。ほら、この日は全国の支店で一斉にメインサーバのメンテナンスが行われるから短縮営業の日だっただろう?』
「あ~そう言えばそうだったね。うん。この日なら遅番があっても早目にあがれるものね。分った、それじゃ私から真理ちゃんに連絡入れておくよ」
『ああ、よろしく。俺は佐々木に連絡入れておくよ』
「え? まだ佐々木君には連絡入れてなかったの?」
『そうなんだ。取り合えず加藤さんから了承得てからにしようかと思ってさ』
「私なら大丈夫だよ。暇人だから」
『暇人……そ、そっか。加藤さんは今暇人なのかぁ……な、ならさ……。来年一緒に初詣行かないかな?』
何処か躊躇いがちに井上君が尋ねてきた。
「初詣……」
そう言えば今年の初詣は1人で行って来たんだっけ……そして次の日、偶然直人さんに会って2人でプラネタリウムへ……思えばあの時はまだ正式に付き合ってはいなかったけど、今考えてみるとあれが初めてのデートだったのかも。
『加藤さん?』
不意に電話越しから井上君が声をかけてきた。
「あ、ごめんね。え~と、それで何の話してたっけ?」
『ああ、初詣の話しなんだけど……』
その時――
「ただいま~!」
玄関で亮平の大きな声が聞こえた。大変だ! 亮平がいるとまた話がこじれてしまう。
「あ、大変。亮平が家に帰って来ちゃったみたいだから電話切るね!」
『え? あの幼馴染がっ!?』
「うん、そうだよ」
『な、な、何で加藤さんちに帰って来たんだ?』
「え? それはね。泊まりに来てるからだよ」
そんな事より、早く電話切らないと。そこまで答えた時……。
「鈴音。又電話してたのか」
ふらりと部屋に入って来た亮平が私を見てボソリと言う。いますぐ電話切らなくちゃ!
「ごめんね。電話切るね」
『え!? ちょ、ちょっと待って! 幼馴染と電話変わってくれよ!』
井上君がとんでもないことを言ってきた。
「ええっ!? ど、どうして!?」
私は亮平をチラリと見る。亮平は隣のソファに座って新聞のテレビ欄を見ていた。そういえばお姉ちゃんはどうしたんだろう?
『少しでいいから変わってよ。ちょっと話がしたいんだ。頼むよ』
「う、うん……分かったよ……」
嫌な予感し無かったけれども井上君に言われてしぶしぶ亮平に電話を代わる事にした。
「ねぇ……亮平」
「何だ?」
新聞から顔を上げて亮平は私を見た。
「電話……代わって欲しいって……」
「え? 誰から?」
「同期の……井上君……」
「はぁ!? またあいつかっ! 貸せっ!」
亮平は私からスマホをひったくるとイライラした様子で電話に出た――
「……分らない。だって太田先輩は確かに尊敬できる先輩だけど、仕事上での先輩の事しか知らないから……」
『そ、それじゃ……?』
「返事は急がなくていいって言われているから、一応保留って事で……」
『保留……保留かぁ……』
「で、でもお願いっ! 絶対に、誰にも今の話ししないでねっ! まして太田先輩に直に言うなんて絶対に駄目だからっ!」
『当り前だろ!? いくら俺だってそんな話先輩に言えるはずないじゃないかっ!』
「ああ、良かったぁ……それで私に何か用があって電話してきたんだよね? 要件は何だったの?」
『ああ。実は新年会の話しだったんだ。一応1月10日にどうかと思ったんだけど……時間は午後8時で。ほら、この日は全国の支店で一斉にメインサーバのメンテナンスが行われるから短縮営業の日だっただろう?』
「あ~そう言えばそうだったね。うん。この日なら遅番があっても早目にあがれるものね。分った、それじゃ私から真理ちゃんに連絡入れておくよ」
『ああ、よろしく。俺は佐々木に連絡入れておくよ』
「え? まだ佐々木君には連絡入れてなかったの?」
『そうなんだ。取り合えず加藤さんから了承得てからにしようかと思ってさ』
「私なら大丈夫だよ。暇人だから」
『暇人……そ、そっか。加藤さんは今暇人なのかぁ……な、ならさ……。来年一緒に初詣行かないかな?』
何処か躊躇いがちに井上君が尋ねてきた。
「初詣……」
そう言えば今年の初詣は1人で行って来たんだっけ……そして次の日、偶然直人さんに会って2人でプラネタリウムへ……思えばあの時はまだ正式に付き合ってはいなかったけど、今考えてみるとあれが初めてのデートだったのかも。
『加藤さん?』
不意に電話越しから井上君が声をかけてきた。
「あ、ごめんね。え~と、それで何の話してたっけ?」
『ああ、初詣の話しなんだけど……』
その時――
「ただいま~!」
玄関で亮平の大きな声が聞こえた。大変だ! 亮平がいるとまた話がこじれてしまう。
「あ、大変。亮平が家に帰って来ちゃったみたいだから電話切るね!」
『え? あの幼馴染がっ!?』
「うん、そうだよ」
『な、な、何で加藤さんちに帰って来たんだ?』
「え? それはね。泊まりに来てるからだよ」
そんな事より、早く電話切らないと。そこまで答えた時……。
「鈴音。又電話してたのか」
ふらりと部屋に入って来た亮平が私を見てボソリと言う。いますぐ電話切らなくちゃ!
「ごめんね。電話切るね」
『え!? ちょ、ちょっと待って! 幼馴染と電話変わってくれよ!』
井上君がとんでもないことを言ってきた。
「ええっ!? ど、どうして!?」
私は亮平をチラリと見る。亮平は隣のソファに座って新聞のテレビ欄を見ていた。そういえばお姉ちゃんはどうしたんだろう?
『少しでいいから変わってよ。ちょっと話がしたいんだ。頼むよ』
「う、うん……分かったよ……」
嫌な予感し無かったけれども井上君に言われてしぶしぶ亮平に電話を代わる事にした。
「ねぇ……亮平」
「何だ?」
新聞から顔を上げて亮平は私を見た。
「電話……代わって欲しいって……」
「え? 誰から?」
「同期の……井上君……」
「はぁ!? またあいつかっ! 貸せっ!」
亮平は私からスマホをひったくるとイライラした様子で電話に出た――