本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第18章 22 亮平からの着信
家に辿り着いたのは午後2時半だった。
「……」
私は暫く無言で玄関の前に立っていた。思い付きで、ほんの少しだけ外出するつもりが、こんな時間になっているなんて……。お姉ちゃん、心配してるかな? 亮平は怒っているかな? もういいや。とにかく2人に何か言われたら謝れば。
「ただいまー」
ガチャリとドアを開けて、玄関を見るとお姉ちゃんの靴だけが置いてある。
「亮平……?」
亮平の靴は何所へ行ったのだろう?ひ ょっとして家に帰っているのかな?
すると、バタバタと玄関へ向かって駆けてくる足音が聞こえた。
「鈴音ちゃんっ!?」
「え? どうしたの? お姉ちゃん」
お姉ちゃんは青い顔をして私を見ると、次の瞬間、思い切り抱きしめてきた。
「鈴音ちゃん!」
「え? え? 何?」
「何所へ行ってたのよ!」
お姉ちゃんが震えている。
「ど、何所って……ちょっと散歩に……」
「買って来たみかんを玄関に置きっぱなしのままっ!?」
「え? みかん?」
言われてその時思い出した。そうだ! 私……みかんを買って帰ったらお姉ちゃんと亮平の結婚話が聞こえて来て、ショックで家を出て来てしまったんだっけ……。
「一体、みかんだけ置いて何所へ行ってたの? いくらスマホに連絡入れても電話にも出ないし、メールも返信が無いし……」
あ……そうだった。2人から連絡が来るのが怖かったから、着信音を消していたんだっけ。
「ご、ごめんね。ちょっと図書館に行きたくなっちゃって、それで着信音切っていたんだ」
慌てて咄嗟に言い訳した。
「でも、それならそれで家に一度帰ってきたら声を掛けて欲しかったわ」
お姉ちゃんは口をとがらせる。
「うん、ごめんなさい。そうするべきだったと思ってる」
ウソついてごめんなさい……。心の中でお姉ちゃんに謝罪した。
「それより早く亮平君に連絡入れてあげて?」
「え? どうして?」
「亮平君ね、鈴音ちゃんと連絡取れなくなったからって探しに行ったのよ?」
「ええっ!? ほ、本当に!?」
亮平が私の居場所を知るはずないのに!
「ずっと探してると思うから連絡入れてあげて?」
「う、うん」
スマホの電源を入れてギョッとした。亮平から10件以上の電話とメールの着信が入っていたからだ。少しだけメールを開いてみた。
『鈴音、どこだ?』
『返信位しろっ!』
『お前、俺をからかってるのか?』
『頼むから連絡入れてくれ!』
『まさか変な事考えたりしてないよな!?』
うわ……この分だと、相当怒っているかもしれない……。でも、変な事? 変な事って一体どんな事なんだろう?
お姉ちゃんがため息をついた。
「亮平君ね……今の鈴音ちゃんはまともな状況じゃないから探しにくいって聞かなかったのよ。いくらこっちが止めてもね?」
「そ、そうだったんだ……」
もう、亮平の馬鹿っ! 恋人であるお姉ちゃんの前で私の心配なんかしないでよ! 余計怪しまれてしまうじゃない!
「とにかく、まずは連絡入れてみるよ」
スマホをタップして亮平の番号を呼び出した。
トゥルルルル……
『もしもしっ!? 鈴音かっ!?』
たったワンコールで亮平が電話に出た。
「あ、亮平……」
『この馬鹿ッ! 一体何所ほっつき歩いてたんだよっ!!』
いきなり大声で怒鳴りつけられ、咄嗟にスマホを耳から外した。
「ごめんなさい……」
『ごめんですめば警察はいらねーんだよっ!』
「何もそんなに怒鳴らなくても……それは確かに連絡取らなかったのはまずかったと思うけど……」
『お前なぁ……! 俺がどれ程心配したのか分からないのかよっ! どれだけ駅前を探し回ったのか、お前には分らないだろうっ!?』
「亮平……」
何で? どうして私にそこまで構うのよ? 亮平とお姉ゃんは結婚するんでしょう?
『兎に角、帰ったら話聞かせてもらうから……逃げるなよ?』
プツッ!
そこまで言うと電話は切れた――
「……」
私は暫く無言で玄関の前に立っていた。思い付きで、ほんの少しだけ外出するつもりが、こんな時間になっているなんて……。お姉ちゃん、心配してるかな? 亮平は怒っているかな? もういいや。とにかく2人に何か言われたら謝れば。
「ただいまー」
ガチャリとドアを開けて、玄関を見るとお姉ちゃんの靴だけが置いてある。
「亮平……?」
亮平の靴は何所へ行ったのだろう?ひ ょっとして家に帰っているのかな?
すると、バタバタと玄関へ向かって駆けてくる足音が聞こえた。
「鈴音ちゃんっ!?」
「え? どうしたの? お姉ちゃん」
お姉ちゃんは青い顔をして私を見ると、次の瞬間、思い切り抱きしめてきた。
「鈴音ちゃん!」
「え? え? 何?」
「何所へ行ってたのよ!」
お姉ちゃんが震えている。
「ど、何所って……ちょっと散歩に……」
「買って来たみかんを玄関に置きっぱなしのままっ!?」
「え? みかん?」
言われてその時思い出した。そうだ! 私……みかんを買って帰ったらお姉ちゃんと亮平の結婚話が聞こえて来て、ショックで家を出て来てしまったんだっけ……。
「一体、みかんだけ置いて何所へ行ってたの? いくらスマホに連絡入れても電話にも出ないし、メールも返信が無いし……」
あ……そうだった。2人から連絡が来るのが怖かったから、着信音を消していたんだっけ。
「ご、ごめんね。ちょっと図書館に行きたくなっちゃって、それで着信音切っていたんだ」
慌てて咄嗟に言い訳した。
「でも、それならそれで家に一度帰ってきたら声を掛けて欲しかったわ」
お姉ちゃんは口をとがらせる。
「うん、ごめんなさい。そうするべきだったと思ってる」
ウソついてごめんなさい……。心の中でお姉ちゃんに謝罪した。
「それより早く亮平君に連絡入れてあげて?」
「え? どうして?」
「亮平君ね、鈴音ちゃんと連絡取れなくなったからって探しに行ったのよ?」
「ええっ!? ほ、本当に!?」
亮平が私の居場所を知るはずないのに!
「ずっと探してると思うから連絡入れてあげて?」
「う、うん」
スマホの電源を入れてギョッとした。亮平から10件以上の電話とメールの着信が入っていたからだ。少しだけメールを開いてみた。
『鈴音、どこだ?』
『返信位しろっ!』
『お前、俺をからかってるのか?』
『頼むから連絡入れてくれ!』
『まさか変な事考えたりしてないよな!?』
うわ……この分だと、相当怒っているかもしれない……。でも、変な事? 変な事って一体どんな事なんだろう?
お姉ちゃんがため息をついた。
「亮平君ね……今の鈴音ちゃんはまともな状況じゃないから探しにくいって聞かなかったのよ。いくらこっちが止めてもね?」
「そ、そうだったんだ……」
もう、亮平の馬鹿っ! 恋人であるお姉ちゃんの前で私の心配なんかしないでよ! 余計怪しまれてしまうじゃない!
「とにかく、まずは連絡入れてみるよ」
スマホをタップして亮平の番号を呼び出した。
トゥルルルル……
『もしもしっ!? 鈴音かっ!?』
たったワンコールで亮平が電話に出た。
「あ、亮平……」
『この馬鹿ッ! 一体何所ほっつき歩いてたんだよっ!!』
いきなり大声で怒鳴りつけられ、咄嗟にスマホを耳から外した。
「ごめんなさい……」
『ごめんですめば警察はいらねーんだよっ!』
「何もそんなに怒鳴らなくても……それは確かに連絡取らなかったのはまずかったと思うけど……」
『お前なぁ……! 俺がどれ程心配したのか分からないのかよっ! どれだけ駅前を探し回ったのか、お前には分らないだろうっ!?』
「亮平……」
何で? どうして私にそこまで構うのよ? 亮平とお姉ゃんは結婚するんでしょう?
『兎に角、帰ったら話聞かせてもらうから……逃げるなよ?』
プツッ!
そこまで言うと電話は切れた――