本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第19章 1 新年の朝
翌朝――
酷い頭痛で目が覚めた。目が覚めた時、まず最初にそこが自分の部屋だという事に驚き、慌ててガバッと布団から飛び起きた時に頭がズキリと痛んだ。
「あ、イタタタ……」
ズキズキする頭を抑えながら枕元に置かれた目覚まし時計を見ると、時刻は9時になろうとしている。
「大変……新年なのに寝過ごしちゃった……」
本当は頭が痛くて起き上がるのが辛いけど、いつまでも下に降りないとお姉ちゃんと亮平が心配するかもしれない。
「起きようかな……」
溜息をついたとき、ドアをノックされた。
――コンコン
『鈴音ちゃん。大丈夫?』
「あ、お姉ちゃん。うん。もう大丈夫だよ」
「入っていいかしら?」
「うん、どうぞ」
ドアが開いてお姉ちゃんが顔を覗かせた。
「大丈夫 ?鈴音ちゃん。今、下で3人でおせち食べるつもりなんだけど……」
床に座るとお姉ちゃんが尋ねてきた。
「うん、大丈夫。着替えたら降りるから」
本当なら部屋でゆっくり休んでいたいけれども折角のお正月だし、亮平もいるから部屋に籠ってるわけにもいかないものね。
「そう? それじゃ下で待ってるわね」
お姉ちゃんは立ち上がるとすぐに部屋を出て行った。
「それにしてもいつの間に部屋にあがっていたんだろう? まぁ、いっか。着替えよ」
そして枕元に置いておいた衣類に手を伸ばした――
トントン……
階下へ降りると、すぐにキッチンへ向かった。お姉ちゃんはお節料理の準備をしていた。食器棚からお皿を取り出したり、お雑煮のおつゆを温めたりしている。
「お姉ちゃん。何か手伝おうか?」
するとお姉ちゃんは顔を上げて私を見た。
「いいのよ、鈴音ちゃん。何だか顔色が青くて具合悪そうだからリビングで休んでいて。どうせおせち料理は出来ているんだから」
「うん、ありがと」
助かった。正直言うと頭痛が酷くて辛かったから。私はキッチンを出てリビングへ向かった。
リビングへ行くと、亮平がテレビを観ている後姿が見えた。
「明けましておめでとう。亮平」
背後から声をかけると、亮平の肩がビクリと動き、ゆっくりと私の方を振り向いた。
「あ、ああ……お、おはよう。いや、明けましておめでとう」
そしてすぐに私から視線を逸らす。何だか様子がおかしい。一体どうしたんだろう?
「亮平、どうかしたの?」
「べ、別にっ! 何でもない! そ、それよりお前、寝坊し過ぎだろ?」
振り返ることなく言う。でも、それに対しては言い訳できない。
「うん……ごめんね」
そして痛む頭を押さえて、リビングにあるキャビネットの扉を開くと薬箱を取り出した。するとその様子を見ていた亮平が声をかけて来た。
「どうしたんだ? 鈴音」
「うん……昨夜飲み過ぎちゃったみたいで頭が痛いんだ」
「あ、ああ。昨夜な、うん。確かに飲み過ぎたかもな。何と言っても……」
「お酒飲んでる途中で記憶が途切れちゃったものね」
「え?」
亮平が一瞬固まった。
「でもちゃんと部屋で眠っていたし、酔っていても部屋には戻れたんだね。亮平はずっと起きていたの?」
「いや、俺は2時までは起きていたけど……それより鈴音、昨夜の事お前何も覚えていないのか?」
亮平が信じられないと言わんばかりの目で私を見る。
「う、うん……そうだけど?」
あ、あった。痛み止め。薬箱から痛み止めを取り出すと、背後で亮平の大きなため息が聞こえた。
「はぁぁ~」
「え? 何?」
落胆したかのような……それでいて何所か安心したようなため息をつく亮平を振り返った。
「どうかしたの?」
「いや、別に」
「だって、今のため息……」
「何だっていいだろ? それより早く薬飲んで来いよ。頭痛いんだろ」
ブスッと何故かふてくされた様に再びテレビの方を見る亮平。それにしても何だってあんなに機嫌が悪いんだろう?
首を傾げながら私は薬を飲むために台所へ向かった――
酷い頭痛で目が覚めた。目が覚めた時、まず最初にそこが自分の部屋だという事に驚き、慌ててガバッと布団から飛び起きた時に頭がズキリと痛んだ。
「あ、イタタタ……」
ズキズキする頭を抑えながら枕元に置かれた目覚まし時計を見ると、時刻は9時になろうとしている。
「大変……新年なのに寝過ごしちゃった……」
本当は頭が痛くて起き上がるのが辛いけど、いつまでも下に降りないとお姉ちゃんと亮平が心配するかもしれない。
「起きようかな……」
溜息をついたとき、ドアをノックされた。
――コンコン
『鈴音ちゃん。大丈夫?』
「あ、お姉ちゃん。うん。もう大丈夫だよ」
「入っていいかしら?」
「うん、どうぞ」
ドアが開いてお姉ちゃんが顔を覗かせた。
「大丈夫 ?鈴音ちゃん。今、下で3人でおせち食べるつもりなんだけど……」
床に座るとお姉ちゃんが尋ねてきた。
「うん、大丈夫。着替えたら降りるから」
本当なら部屋でゆっくり休んでいたいけれども折角のお正月だし、亮平もいるから部屋に籠ってるわけにもいかないものね。
「そう? それじゃ下で待ってるわね」
お姉ちゃんは立ち上がるとすぐに部屋を出て行った。
「それにしてもいつの間に部屋にあがっていたんだろう? まぁ、いっか。着替えよ」
そして枕元に置いておいた衣類に手を伸ばした――
トントン……
階下へ降りると、すぐにキッチンへ向かった。お姉ちゃんはお節料理の準備をしていた。食器棚からお皿を取り出したり、お雑煮のおつゆを温めたりしている。
「お姉ちゃん。何か手伝おうか?」
するとお姉ちゃんは顔を上げて私を見た。
「いいのよ、鈴音ちゃん。何だか顔色が青くて具合悪そうだからリビングで休んでいて。どうせおせち料理は出来ているんだから」
「うん、ありがと」
助かった。正直言うと頭痛が酷くて辛かったから。私はキッチンを出てリビングへ向かった。
リビングへ行くと、亮平がテレビを観ている後姿が見えた。
「明けましておめでとう。亮平」
背後から声をかけると、亮平の肩がビクリと動き、ゆっくりと私の方を振り向いた。
「あ、ああ……お、おはよう。いや、明けましておめでとう」
そしてすぐに私から視線を逸らす。何だか様子がおかしい。一体どうしたんだろう?
「亮平、どうかしたの?」
「べ、別にっ! 何でもない! そ、それよりお前、寝坊し過ぎだろ?」
振り返ることなく言う。でも、それに対しては言い訳できない。
「うん……ごめんね」
そして痛む頭を押さえて、リビングにあるキャビネットの扉を開くと薬箱を取り出した。するとその様子を見ていた亮平が声をかけて来た。
「どうしたんだ? 鈴音」
「うん……昨夜飲み過ぎちゃったみたいで頭が痛いんだ」
「あ、ああ。昨夜な、うん。確かに飲み過ぎたかもな。何と言っても……」
「お酒飲んでる途中で記憶が途切れちゃったものね」
「え?」
亮平が一瞬固まった。
「でもちゃんと部屋で眠っていたし、酔っていても部屋には戻れたんだね。亮平はずっと起きていたの?」
「いや、俺は2時までは起きていたけど……それより鈴音、昨夜の事お前何も覚えていないのか?」
亮平が信じられないと言わんばかりの目で私を見る。
「う、うん……そうだけど?」
あ、あった。痛み止め。薬箱から痛み止めを取り出すと、背後で亮平の大きなため息が聞こえた。
「はぁぁ~」
「え? 何?」
落胆したかのような……それでいて何所か安心したようなため息をつく亮平を振り返った。
「どうかしたの?」
「いや、別に」
「だって、今のため息……」
「何だっていいだろ? それより早く薬飲んで来いよ。頭痛いんだろ」
ブスッと何故かふてくされた様に再びテレビの方を見る亮平。それにしても何だってあんなに機嫌が悪いんだろう?
首を傾げながら私は薬を飲むために台所へ向かった――