本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第19章 5 亮平との小競り合い?
20時――
「あ~焼肉旨かった」
亮平が箸を置くと満足そうに笑みを浮かべた。今夜の食事はホットプレートを持ちだして、皆で焼き肉パーティーをした。
「ほんと、贅沢なお正月だったね。朝はおせちで夜は焼き肉パーティーだもの」
私も久しぶりに牛タンを食べれて満足だった。ちなみにランチは私が作ったフレンチトーストだった。亮平は、「甘いフレンチトーストなんて食事じゃない! スイーツだ!」などと文句を言っていたわりに、きっちり2枚も食べていた。全く……ちゃんと食べるなら最初から文句言わなきゃいいのに。思わず昼間の出来事を思い出し、ちょとだけ隣に座っている亮平を睨み付けた。
「何だよ、何でそんな目で俺を見るんだ?」
「ううん、べっつに!」
大体、私が太田先輩の告白と井上君に知られてしまった事で悩む羽目になったのは元をただせば亮平のせいなのに、能天気に焼き肉にご飯2膳もお代わりするなんて何だか納得いかない。こっちはまた悩みが増えて食欲もあまりなくて、大好きな牛タンだってあまり食べられなかったし……。
「亮平君。悪かったわね、折角の焼肉だったのに鈴音ちゃんを車で送るからビール飲めなくて」
「いや、仕方ないですよ。ほんとは飲みたかったけどな?」
言いながら亮平はチラリと私を見た。何それ? ビール飲めなかったのは私のせいだって言いたいの? こっちは送って欲しいなんて頼んでもいないのに。
「何よ、でもノンアルビール飲んでるじゃない」
いつもの私ならここで亮平にごめんねと言って謝る処だけど、太田先輩と井上君の件で恨みが出来てしまったので、つい言ってしまった。
「バーカ、ノンアルじゃ飲んだ気がしねーんだよ」
言いながら亮平は頭を小突いてき。う~また人を馬鹿呼ばわりする……。思わず恨みがましい目で亮平を見た時、お姉ちゃんが私に声をかけてきた。
「鈴音ちゃん。あまり焼き肉食べていなかったでしょう? デザートに鈴音ちゃんの大好きなラムレーズンのアイスクリーム買ってあるけど食べる?」
お姉ちゃんが私の目の前にラムレーズンのアイスカップとスプーンを置いた。
「う~ん食べたい気持ちもあるけど、まだお腹きついからな……」
「あら、そうなの? それじゃ……」
「なら、俺が食ってやるよ」
亮平は私の目の前に置いておいたアイスをヒョイと取ってしまった。
「ちょ、ちょっと! 私、まだ食べないとは言ってないけど?」
「でもお腹きついんだろ」
言いながら亮平はアイスをスプーンですくっている。
「ちょ、ちょっと……!」
慌てて抗議しようとしたとき、亮平はアイスの乗ったティースプーンをいきなり人の口の中に突っ込んできた。
「ムグッ!」
途端に口の中に冷たくて甘いアイスとラムレーズンの香りが口の中で広がる。
「どうだ? 美味いか?」
「うん、美味しいっ……て言うか何でこんな事するのっ?!」
亮平の行動が信じられなくて抗議する。
「別に美味かったならいいじゃないか」
挙句の果てに亮平は私の口に突っ込んだスプーンでラムレーズンのアイスをすくって食べている。
「あ~ほんと、美味いなぁ……」
し、信じられないっ! 恋人であるお姉ちゃんの目の前で人にアイスを食べさせて、挙句にそのスプーンで私の大好きなアイスを……! でもそれよりももっと問題なのはお姉ちゃんの前で今の行動を取った事だ。こんな事をされればますます誤解されてしまう! チラリとお姉ちゃんを見れば、もうそこにはいなかった。どうやら台所で食器洗いをしていたみたいで、今の状況は見ていなかったみたいだ。
「はぁ~…」
良かった…‥思わず安堵のため息をつくと、私はダイニングチェアから立ち上がった。
「何だ? どうした?」
アイスを食べながら亮平が尋ねてきた。
「うん。もうそろそろ帰るから支度してこようと思って」
「そうか……本当にもう帰るのか」
亮平がポツリと言う。
気のせいだろうか?
その声が何となく寂し気に聞こえたのは――
「あ~焼肉旨かった」
亮平が箸を置くと満足そうに笑みを浮かべた。今夜の食事はホットプレートを持ちだして、皆で焼き肉パーティーをした。
「ほんと、贅沢なお正月だったね。朝はおせちで夜は焼き肉パーティーだもの」
私も久しぶりに牛タンを食べれて満足だった。ちなみにランチは私が作ったフレンチトーストだった。亮平は、「甘いフレンチトーストなんて食事じゃない! スイーツだ!」などと文句を言っていたわりに、きっちり2枚も食べていた。全く……ちゃんと食べるなら最初から文句言わなきゃいいのに。思わず昼間の出来事を思い出し、ちょとだけ隣に座っている亮平を睨み付けた。
「何だよ、何でそんな目で俺を見るんだ?」
「ううん、べっつに!」
大体、私が太田先輩の告白と井上君に知られてしまった事で悩む羽目になったのは元をただせば亮平のせいなのに、能天気に焼き肉にご飯2膳もお代わりするなんて何だか納得いかない。こっちはまた悩みが増えて食欲もあまりなくて、大好きな牛タンだってあまり食べられなかったし……。
「亮平君。悪かったわね、折角の焼肉だったのに鈴音ちゃんを車で送るからビール飲めなくて」
「いや、仕方ないですよ。ほんとは飲みたかったけどな?」
言いながら亮平はチラリと私を見た。何それ? ビール飲めなかったのは私のせいだって言いたいの? こっちは送って欲しいなんて頼んでもいないのに。
「何よ、でもノンアルビール飲んでるじゃない」
いつもの私ならここで亮平にごめんねと言って謝る処だけど、太田先輩と井上君の件で恨みが出来てしまったので、つい言ってしまった。
「バーカ、ノンアルじゃ飲んだ気がしねーんだよ」
言いながら亮平は頭を小突いてき。う~また人を馬鹿呼ばわりする……。思わず恨みがましい目で亮平を見た時、お姉ちゃんが私に声をかけてきた。
「鈴音ちゃん。あまり焼き肉食べていなかったでしょう? デザートに鈴音ちゃんの大好きなラムレーズンのアイスクリーム買ってあるけど食べる?」
お姉ちゃんが私の目の前にラムレーズンのアイスカップとスプーンを置いた。
「う~ん食べたい気持ちもあるけど、まだお腹きついからな……」
「あら、そうなの? それじゃ……」
「なら、俺が食ってやるよ」
亮平は私の目の前に置いておいたアイスをヒョイと取ってしまった。
「ちょ、ちょっと! 私、まだ食べないとは言ってないけど?」
「でもお腹きついんだろ」
言いながら亮平はアイスをスプーンですくっている。
「ちょ、ちょっと……!」
慌てて抗議しようとしたとき、亮平はアイスの乗ったティースプーンをいきなり人の口の中に突っ込んできた。
「ムグッ!」
途端に口の中に冷たくて甘いアイスとラムレーズンの香りが口の中で広がる。
「どうだ? 美味いか?」
「うん、美味しいっ……て言うか何でこんな事するのっ?!」
亮平の行動が信じられなくて抗議する。
「別に美味かったならいいじゃないか」
挙句の果てに亮平は私の口に突っ込んだスプーンでラムレーズンのアイスをすくって食べている。
「あ~ほんと、美味いなぁ……」
し、信じられないっ! 恋人であるお姉ちゃんの目の前で人にアイスを食べさせて、挙句にそのスプーンで私の大好きなアイスを……! でもそれよりももっと問題なのはお姉ちゃんの前で今の行動を取った事だ。こんな事をされればますます誤解されてしまう! チラリとお姉ちゃんを見れば、もうそこにはいなかった。どうやら台所で食器洗いをしていたみたいで、今の状況は見ていなかったみたいだ。
「はぁ~…」
良かった…‥思わず安堵のため息をつくと、私はダイニングチェアから立ち上がった。
「何だ? どうした?」
アイスを食べながら亮平が尋ねてきた。
「うん。もうそろそろ帰るから支度してこようと思って」
「そうか……本当にもう帰るのか」
亮平がポツリと言う。
気のせいだろうか?
その声が何となく寂し気に聞こえたのは――