本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第3章 8 夜、車の外での会話
お姉ちゃん…亮平…。
まるで見てはいけないものを見てしまったかのような気持ちになってしまった私は慌てて自転車を引いて家の陰に隠れてしまった。
そ、そんな…。2人は初めてのデートで、もうキスをするような仲になってしまったの?心臓はドキドキと早鐘を打っているし、こめかみはズキズキと痛みだした。まさかあんな場面を目にしてしまうなんて…。何だか泣きたいような気持になってしまったけど、いつまでもこんなところに隠れていても仕方が無い。2人が車から降りて玄関へ入ってから何食わぬ顔で帰ろう…。
そう決めた私は再度、家の物陰から2人の様子を伺うと未だにお姉ちゃんと亮平は車から降りていない。
「もう…何やってるのよ…」
キスはもうしていなかったけれども、2人共車のシートの背もたれに寄りかかって座っている。何だか会話をしている素振りすらない。
「あれ…?何か変だな…?」
首を傾げてもう一度2人に様子を伺うと、何とお姉ちゃんは助手席のシートにもたれたまま眠っている。という事は…まさか亮平は眠っているお姉ちゃんに勝手にキスをしたのかも…!それに気が付いた瞬間、私の胸の中に安心感やら亮平に関する怒り?のような感情が沸き起こって来た。
「何よ…亮平ったら…。まさか眠っているお姉ちゃんに勝手にキスするなんて…酷い!同じ女として…許せないんだからっ!」
よし!ここはもう私が行って一発ガツンと亮平に物申すしかない。そこで私は意を決し、自転車を引っ張って亮平の車へ近づいて行った。すると亮平は私が車に向かって歩いてくる姿に気付いたのか、運転席から降りてきた。
「ああ、お帰り、鈴音。いや~参ったよ。忍さん…疲れたのかな?帰りの高速に乗ったところですぐに眠ってしまったんだよ。到着してもまだ眠っているし、起こすのもかわいそうだから、そのまま寝かせて置いて上げてるんだけど…って何だよ?鈴音。その汚らわしいものを見るような目つきで俺の事をみて…」
「ふ~ん…・汚らわしいものを見るような目つき…?自分でそんな台詞を言うって事は…自覚があるって事だよね?」
「自覚?自覚って何の?」
「亮平…私が何も知らないとでも思っているでしょう…?実は私見ちゃったのよ…」
自転車のスタンドを降ろすと私は言った。
「み、見た?見たって…一体何を見たんだよ?」
何故か口ごもる亮平。つまり…自覚はあるって事だな?
「いいの?私の口から言っても?」
「あ?ああ、いいぜ。俺には別にやましい事はないからな?」
「あら、そう?なら言わせて貰ういますけどね…亮平!」
私はビシイッと亮平を指さすと言った。
「お姉ちゃんが眠っているのをいいことに…お姉ちゃんに勝手にキスしていたでしょうっ?!」
「な、何っ?!お・お・お前…見ていたのかよっ!」
亮平が真っ赤な顔で大声を出したので、慌てて私はひとさし指を口元に立てると言った。
「亮平、しーっ!しずかにっ!もう夜遅いから、大声出したら近所迷惑になっちゃう。」
「あ、ああ…そうだな」
亮平は我に返ると声のトーンを落とした。
「それにしたって、幾ら眠っているからって、付き合ってもいない女性にキスするのは駄目でしょう?」
すると亮平はポカンとした顔で私に言う。
「え?何言ってるんだ?鈴音」
「何って…だから付き合ってもいない女性にキスするのは…」
「だから、そこだって」
「え?な、何…?」
「俺と忍さん…付き合う事になったから」
亮平の言葉に私は目の前が一瞬真っ暗になった――
まるで見てはいけないものを見てしまったかのような気持ちになってしまった私は慌てて自転車を引いて家の陰に隠れてしまった。
そ、そんな…。2人は初めてのデートで、もうキスをするような仲になってしまったの?心臓はドキドキと早鐘を打っているし、こめかみはズキズキと痛みだした。まさかあんな場面を目にしてしまうなんて…。何だか泣きたいような気持になってしまったけど、いつまでもこんなところに隠れていても仕方が無い。2人が車から降りて玄関へ入ってから何食わぬ顔で帰ろう…。
そう決めた私は再度、家の物陰から2人の様子を伺うと未だにお姉ちゃんと亮平は車から降りていない。
「もう…何やってるのよ…」
キスはもうしていなかったけれども、2人共車のシートの背もたれに寄りかかって座っている。何だか会話をしている素振りすらない。
「あれ…?何か変だな…?」
首を傾げてもう一度2人に様子を伺うと、何とお姉ちゃんは助手席のシートにもたれたまま眠っている。という事は…まさか亮平は眠っているお姉ちゃんに勝手にキスをしたのかも…!それに気が付いた瞬間、私の胸の中に安心感やら亮平に関する怒り?のような感情が沸き起こって来た。
「何よ…亮平ったら…。まさか眠っているお姉ちゃんに勝手にキスするなんて…酷い!同じ女として…許せないんだからっ!」
よし!ここはもう私が行って一発ガツンと亮平に物申すしかない。そこで私は意を決し、自転車を引っ張って亮平の車へ近づいて行った。すると亮平は私が車に向かって歩いてくる姿に気付いたのか、運転席から降りてきた。
「ああ、お帰り、鈴音。いや~参ったよ。忍さん…疲れたのかな?帰りの高速に乗ったところですぐに眠ってしまったんだよ。到着してもまだ眠っているし、起こすのもかわいそうだから、そのまま寝かせて置いて上げてるんだけど…って何だよ?鈴音。その汚らわしいものを見るような目つきで俺の事をみて…」
「ふ~ん…・汚らわしいものを見るような目つき…?自分でそんな台詞を言うって事は…自覚があるって事だよね?」
「自覚?自覚って何の?」
「亮平…私が何も知らないとでも思っているでしょう…?実は私見ちゃったのよ…」
自転車のスタンドを降ろすと私は言った。
「み、見た?見たって…一体何を見たんだよ?」
何故か口ごもる亮平。つまり…自覚はあるって事だな?
「いいの?私の口から言っても?」
「あ?ああ、いいぜ。俺には別にやましい事はないからな?」
「あら、そう?なら言わせて貰ういますけどね…亮平!」
私はビシイッと亮平を指さすと言った。
「お姉ちゃんが眠っているのをいいことに…お姉ちゃんに勝手にキスしていたでしょうっ?!」
「な、何っ?!お・お・お前…見ていたのかよっ!」
亮平が真っ赤な顔で大声を出したので、慌てて私はひとさし指を口元に立てると言った。
「亮平、しーっ!しずかにっ!もう夜遅いから、大声出したら近所迷惑になっちゃう。」
「あ、ああ…そうだな」
亮平は我に返ると声のトーンを落とした。
「それにしたって、幾ら眠っているからって、付き合ってもいない女性にキスするのは駄目でしょう?」
すると亮平はポカンとした顔で私に言う。
「え?何言ってるんだ?鈴音」
「何って…だから付き合ってもいない女性にキスするのは…」
「だから、そこだって」
「え?な、何…?」
「俺と忍さん…付き合う事になったから」
亮平の言葉に私は目の前が一瞬真っ暗になった――