本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第19章 14 年下の男の子
「あの、聞きたいことがあるんですけど」
新宿駅を目指して繁華街を並んで歩きながら私は男の人に尋ねた。
「はい、聞きたいことって何ですか?」
「何処かでお会いしたことありましたっけ……?」
「あ……」
途端に何故か彼の頬が赤くなった。
「は、はい。僕たち……会ったことあります。あの、ファミレスと……公園で」
最後の方は今にも消え入りそうな声だった。
「え……? ファミレスと……公園……あっ! もしかして……!」
そうだ! 私はこの人に泣いているところを見られてしまっていたんだ! それに公園でも落ち込んでる姿を……っ!
「思い出してくれましたか?」
彼ははにかみながら言った。
「はい、思い出しました! な、何だか恥ずかしいですね。情けない所ばかり見られてしまって……」
照れ臭さを隠すために髪を撫でつけた。
「いえ、僕の方こそ……失礼な事言ってしまって……」
「失礼な事?」
「公園で……言いましたよね? 帰る家が無いんですか? って」
「あ……ああ! そう言えば言ってましたね?」
「すみません。あの時、咄嗟に変な事を言ってしまいました」
「そんな、いいんですよ。全然気にしていませんし、むしろ気に掛けて頂いてありがたかったです。確かにあの日はちょっと落ち込んでいたので」
「……」
彼は話している間、黙って私を見つめながら隣を歩いている。何故だろう。その瞳に……どこか懐かしさを感じる。
「ところで、この間は千駄ヶ谷のファミレスで働いていましたよね? そして今日は新宿の居酒屋で働いているんですか? バイト掛け持ちなんて大変ですね。でも知りませんでした。居酒屋のアルバイトは高校生も出来るんですね」
「高校生……」
彼は何だか妙な顔をして私を見ている。え? ひょっとして私、何かまずい事を口走ってしまったのだろうか?
「あ、あの……高校生じゃないです。今19歳です」
「え? そうなんですか!? ご、ごめんなさい! てっきり高校1年生くらいだと思ってました!」
「いいんです。童顔だからよく色々な人に間違えられているので。だけど…・・・」
彼はじっと私を見た後に、何故か顔を赤らめて視線を逸らせた。
「やっぱり……僕より年上だったんですね……」
「え?」
思わず聞き返すと、再び彼は顔を真っ赤にさせた。
「あ、別に悪気があって言ったわけでは無くて、楽しそうにお酒飲んでるな~と思って」
「そうですね、お酒は好きですよ」
そこまで話した時、丁度新宿駅に到着した。夜の10時半を過ぎても新宿駅は相変わらずごった返している。
「あの、総武線ですよね?」
自然と2人で総武線乗り場へ歩きながら彼が尋ねてきた。
「はい。そうです」
「そうですか、ではここでお別れですね」
「千駄ヶ谷には行かないんですか?」
「ええ、今夜は友達の家に泊まるので」
「そうだったんですか……」
そして私は名前も知らない彼と改札で別れることになった。
「それじゃ、失礼しますね」
頭を下げて、三鷹方面行のホームに向かおうとすると声をかけられた。
「あのっ!」
「はい?」
振り向くと、そこには真剣な顔で見つめている彼が立っていた。
「あ、あの……その……」
「?」
「き、気をつけて帰って下さいっ!」
「? ありがとうございます……」
すると彼は私に背を向けると逃げるように走り去って行った――
新宿駅を目指して繁華街を並んで歩きながら私は男の人に尋ねた。
「はい、聞きたいことって何ですか?」
「何処かでお会いしたことありましたっけ……?」
「あ……」
途端に何故か彼の頬が赤くなった。
「は、はい。僕たち……会ったことあります。あの、ファミレスと……公園で」
最後の方は今にも消え入りそうな声だった。
「え……? ファミレスと……公園……あっ! もしかして……!」
そうだ! 私はこの人に泣いているところを見られてしまっていたんだ! それに公園でも落ち込んでる姿を……っ!
「思い出してくれましたか?」
彼ははにかみながら言った。
「はい、思い出しました! な、何だか恥ずかしいですね。情けない所ばかり見られてしまって……」
照れ臭さを隠すために髪を撫でつけた。
「いえ、僕の方こそ……失礼な事言ってしまって……」
「失礼な事?」
「公園で……言いましたよね? 帰る家が無いんですか? って」
「あ……ああ! そう言えば言ってましたね?」
「すみません。あの時、咄嗟に変な事を言ってしまいました」
「そんな、いいんですよ。全然気にしていませんし、むしろ気に掛けて頂いてありがたかったです。確かにあの日はちょっと落ち込んでいたので」
「……」
彼は話している間、黙って私を見つめながら隣を歩いている。何故だろう。その瞳に……どこか懐かしさを感じる。
「ところで、この間は千駄ヶ谷のファミレスで働いていましたよね? そして今日は新宿の居酒屋で働いているんですか? バイト掛け持ちなんて大変ですね。でも知りませんでした。居酒屋のアルバイトは高校生も出来るんですね」
「高校生……」
彼は何だか妙な顔をして私を見ている。え? ひょっとして私、何かまずい事を口走ってしまったのだろうか?
「あ、あの……高校生じゃないです。今19歳です」
「え? そうなんですか!? ご、ごめんなさい! てっきり高校1年生くらいだと思ってました!」
「いいんです。童顔だからよく色々な人に間違えられているので。だけど…・・・」
彼はじっと私を見た後に、何故か顔を赤らめて視線を逸らせた。
「やっぱり……僕より年上だったんですね……」
「え?」
思わず聞き返すと、再び彼は顔を真っ赤にさせた。
「あ、別に悪気があって言ったわけでは無くて、楽しそうにお酒飲んでるな~と思って」
「そうですね、お酒は好きですよ」
そこまで話した時、丁度新宿駅に到着した。夜の10時半を過ぎても新宿駅は相変わらずごった返している。
「あの、総武線ですよね?」
自然と2人で総武線乗り場へ歩きながら彼が尋ねてきた。
「はい。そうです」
「そうですか、ではここでお別れですね」
「千駄ヶ谷には行かないんですか?」
「ええ、今夜は友達の家に泊まるので」
「そうだったんですか……」
そして私は名前も知らない彼と改札で別れることになった。
「それじゃ、失礼しますね」
頭を下げて、三鷹方面行のホームに向かおうとすると声をかけられた。
「あのっ!」
「はい?」
振り向くと、そこには真剣な顔で見つめている彼が立っていた。
「あ、あの……その……」
「?」
「き、気をつけて帰って下さいっ!」
「? ありがとうございます……」
すると彼は私に背を向けると逃げるように走り去って行った――