本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第19章 17 戸惑い
私と太田先輩はカウンター席に座った。
「あ、あの……け、今朝の話ですけど……!」
今、この場の雰囲気がまるでデートでもしているように感じた私は場の空気を換えようと太田先輩に話しかけた。
「まあまあ、それよりも先にお酒を注文しないか? 軽いおつまみもあるよ」
太田先輩がメニュー表を差し出して来た。
「ありがとうございます」
パラリとメニュー表を眺め、散々迷ってから私はカルーアミルクを注文する事にした。
「私はカルーアミルクがいいです」
「そうか、それじゃ俺はマティーニにしようかな。食べ物はどうする?」
「あの、太田先輩と同じものでいいです」
「それじゃ適当に頼んでいいんだね」
「はい、私は構いません」
「そう? 分った」
太田先輩は手をあげると、すぐにウェイターがやってきた
「お待たせいたしました」
「カルーアミルクとマティーニ。それにフィッシュアンドチップスにアボカドサラダそしてチーズの盛り合わせ……後はフライドポテトをお願いします」
「かしこまりました」
ウェイターが去ると太田先輩が話しかけてきた。
「今夜は俺のおごりだよ。だからって遠慮しないで好きなだけ飲んでもいいし、食べてもいいよ」
「え? あ、でも昨夜も実は飲み会だったので軽く飲むだけでいいです。それで先程の話の続きなのですけど……」
「あ、ああ……そうそう。その話をしたくて加藤さんをデートに誘ったんだっけな」
デート……太田先輩は、はっきりそう言った。さり気なく聞かなかったフリをして再度、尋ねた。
「太田先輩。ひょっとして、以前からバリ島行きの話が出ていたのですか?」
「そうだよ」
太田先輩はあっさり認めた。
「話が来たのは去年だよ。丁度加藤さんが交通事故から復帰した辺りかな」
それって……私が直人さんと交際を始めた頃かもしれない。
「仕事は好きだし、海外の支店でしかも役職付きなんて断る理由は何所にも無いって思ったよ」
「そうですか……」
「だから、このままじゃまずいなって思ったんだ」
「え?」
するとその時――
「お待たせ致しました」
ウェイターがやって来て私と太田先輩の前にお酒を持ってきた。
トントンとカクテルを置くと、ごゆっくりどうぞと言ってウェイターが去って行った。
「乾杯しようか」
太田先輩がグラスを持ったので私も持った。
「はい」
「「乾杯」」
2人でカチンとグラスを合わせ、早速一口飲んだ。すごく美味しかった。
「やっぱりバーテンさんが作ってくれたお酒は美味しいですね」
「そうだね。俺もそう思うよ」
オレンジ色の間接照明に照らされた太田先輩は私と2歳しか違わないのに、何と言うか大人の色気のようなものを感じさせる。…‥この雰囲気だけで酔ってしまいそうだった。
「海外支店へ行く事が決まった時、真っ先に浮かんだのが加藤さんの事だったんだ」
太田先輩がゆっくりと語りだす。
「バリ支店に行ったら数年は日本に帰って来れないって聞かされて、俺は別に全然それでも構わないと思ったけど……」
太田先輩はそこで言葉を切ると私を見つめてきた。
「加藤さんとは離れたくないなって思ったのさ。その瞬間、君が好きだってことに気付いたんだ」
「!」
『好き』という言葉に反応して思わず肩がピクリと動いてしまった。
「だから告白しようと思ったんだけど……加藤さん、君には……既に恋人がいた」
私は戸惑いながら太田先輩を見つめた――
「あ、あの……け、今朝の話ですけど……!」
今、この場の雰囲気がまるでデートでもしているように感じた私は場の空気を換えようと太田先輩に話しかけた。
「まあまあ、それよりも先にお酒を注文しないか? 軽いおつまみもあるよ」
太田先輩がメニュー表を差し出して来た。
「ありがとうございます」
パラリとメニュー表を眺め、散々迷ってから私はカルーアミルクを注文する事にした。
「私はカルーアミルクがいいです」
「そうか、それじゃ俺はマティーニにしようかな。食べ物はどうする?」
「あの、太田先輩と同じものでいいです」
「それじゃ適当に頼んでいいんだね」
「はい、私は構いません」
「そう? 分った」
太田先輩は手をあげると、すぐにウェイターがやってきた
「お待たせいたしました」
「カルーアミルクとマティーニ。それにフィッシュアンドチップスにアボカドサラダそしてチーズの盛り合わせ……後はフライドポテトをお願いします」
「かしこまりました」
ウェイターが去ると太田先輩が話しかけてきた。
「今夜は俺のおごりだよ。だからって遠慮しないで好きなだけ飲んでもいいし、食べてもいいよ」
「え? あ、でも昨夜も実は飲み会だったので軽く飲むだけでいいです。それで先程の話の続きなのですけど……」
「あ、ああ……そうそう。その話をしたくて加藤さんをデートに誘ったんだっけな」
デート……太田先輩は、はっきりそう言った。さり気なく聞かなかったフリをして再度、尋ねた。
「太田先輩。ひょっとして、以前からバリ島行きの話が出ていたのですか?」
「そうだよ」
太田先輩はあっさり認めた。
「話が来たのは去年だよ。丁度加藤さんが交通事故から復帰した辺りかな」
それって……私が直人さんと交際を始めた頃かもしれない。
「仕事は好きだし、海外の支店でしかも役職付きなんて断る理由は何所にも無いって思ったよ」
「そうですか……」
「だから、このままじゃまずいなって思ったんだ」
「え?」
するとその時――
「お待たせ致しました」
ウェイターがやって来て私と太田先輩の前にお酒を持ってきた。
トントンとカクテルを置くと、ごゆっくりどうぞと言ってウェイターが去って行った。
「乾杯しようか」
太田先輩がグラスを持ったので私も持った。
「はい」
「「乾杯」」
2人でカチンとグラスを合わせ、早速一口飲んだ。すごく美味しかった。
「やっぱりバーテンさんが作ってくれたお酒は美味しいですね」
「そうだね。俺もそう思うよ」
オレンジ色の間接照明に照らされた太田先輩は私と2歳しか違わないのに、何と言うか大人の色気のようなものを感じさせる。…‥この雰囲気だけで酔ってしまいそうだった。
「海外支店へ行く事が決まった時、真っ先に浮かんだのが加藤さんの事だったんだ」
太田先輩がゆっくりと語りだす。
「バリ支店に行ったら数年は日本に帰って来れないって聞かされて、俺は別に全然それでも構わないと思ったけど……」
太田先輩はそこで言葉を切ると私を見つめてきた。
「加藤さんとは離れたくないなって思ったのさ。その瞬間、君が好きだってことに気付いたんだ」
「!」
『好き』という言葉に反応して思わず肩がピクリと動いてしまった。
「だから告白しようと思ったんだけど……加藤さん、君には……既に恋人がいた」
私は戸惑いながら太田先輩を見つめた――