本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第19章 18 謝罪の言葉
「正直ショックだったよ。だって告白しようかどうしようか迷っていた時だったからね。こんな事なら、もっと早くに自分の気持ちを伝えて置けば良かったって思ったけど……好きな人が幸せならそれでいいって思ってた」
太田先輩は正面をじっと見つめながらマティーニを口に入れた。
カラン
カウンターのテーブルに置いたカルーアミルクのグラスの中の氷が揺れる。
「ずっと加藤さんを見ていたけど……どんどん綺麗になっていくのを見て思ったよ。きっと良い恋愛をしているんだろうなって。胸は痛かったけど、でも幸せそうな加藤さんが見れて良かったと思っていたんだ」
そう言うと太田先輩は残りのマティーニをグッと飲み干すと、バーテンに向かって手を挙げた。
「お伺いいたします」
「マンハッタン一つ」
「かしこまりました」
バーテンがカクテルを作る姿をじっと見つめながらポツリと太田先輩が言った。
「だから……許せなかった」
「え?」
何が許せないのだろう? 太田先輩を見つめたその時――
「お待たせいたしました」
太田先輩の前にマンハッタンがトンと置かれた。
「ありがとう」
一言呟くと、バーテンは頭を下げて持ち場へ戻る。太田先輩は再びカクテルを口に運んだ。……それにしても少しペースが速いのではないだろうか?
「あの、先輩。少しペースが速いんじゃ……」
すると先輩は私を見つめてきた。
「緊張を取る為さ」
「え?」
太田先輩が緊………?
「これから重要な事を加藤さんに伝えたいからね。とてもシラフじゃ伝えられないからさ」
そんな……太田先輩は一体私に何を伝えるつもりなんだろう。怖かった。それを聞いてはいけない気がした。
「あ、あの。先輩……」
「加藤さん」
太田先輩は私の言葉の上に自分の言葉を重ねてきた。それはまるで私の言葉を塞ぐかのように。
「返事はまだ待つって言ったけど……今聞かせて貰いたい」
マンハッタンをグイッと煽るように飲むと、グラスをテーブルの上に置いた。
「俺は君が好きだ。恋人として付き合って貰いたい。そして一緒にバリ島へ来てもらいたいんだ」
「!」
それはあまりにも衝撃的な言葉だった。告白だけでなく、しかもバリ島に一緒に来て欲しいと言われるなんて想像していなかった。
私の喉はカラカラだった。だから慌ててカルーアミルクをゴクゴク飲むと太田先輩を見た。
「あ、あの……そ、それって……」
「一応、結婚を前提に交際を申し込んでいるんだけど?」
太田先輩はじっと私の目を見つめる。
「け、結婚……?」
「そう、結婚。どうかな?」
太田先輩は大人の色気を漂わせ、熱を帯びた目で私を見つめている。そんな、どうかなって言われても……。あまりにも唐突な言葉で頭がパニックになっていた。
その時、亮平の言葉が何故か突然頭に浮かんだ。
『悪いことは言わない。まだ忘れられない男がいるなら……断ったほうがいい』
亮平……。わ、私は……。
「ごめんなさい……」
気付けば……私の口からは謝罪の言葉が漏れ出していた――
太田先輩は正面をじっと見つめながらマティーニを口に入れた。
カラン
カウンターのテーブルに置いたカルーアミルクのグラスの中の氷が揺れる。
「ずっと加藤さんを見ていたけど……どんどん綺麗になっていくのを見て思ったよ。きっと良い恋愛をしているんだろうなって。胸は痛かったけど、でも幸せそうな加藤さんが見れて良かったと思っていたんだ」
そう言うと太田先輩は残りのマティーニをグッと飲み干すと、バーテンに向かって手を挙げた。
「お伺いいたします」
「マンハッタン一つ」
「かしこまりました」
バーテンがカクテルを作る姿をじっと見つめながらポツリと太田先輩が言った。
「だから……許せなかった」
「え?」
何が許せないのだろう? 太田先輩を見つめたその時――
「お待たせいたしました」
太田先輩の前にマンハッタンがトンと置かれた。
「ありがとう」
一言呟くと、バーテンは頭を下げて持ち場へ戻る。太田先輩は再びカクテルを口に運んだ。……それにしても少しペースが速いのではないだろうか?
「あの、先輩。少しペースが速いんじゃ……」
すると先輩は私を見つめてきた。
「緊張を取る為さ」
「え?」
太田先輩が緊………?
「これから重要な事を加藤さんに伝えたいからね。とてもシラフじゃ伝えられないからさ」
そんな……太田先輩は一体私に何を伝えるつもりなんだろう。怖かった。それを聞いてはいけない気がした。
「あ、あの。先輩……」
「加藤さん」
太田先輩は私の言葉の上に自分の言葉を重ねてきた。それはまるで私の言葉を塞ぐかのように。
「返事はまだ待つって言ったけど……今聞かせて貰いたい」
マンハッタンをグイッと煽るように飲むと、グラスをテーブルの上に置いた。
「俺は君が好きだ。恋人として付き合って貰いたい。そして一緒にバリ島へ来てもらいたいんだ」
「!」
それはあまりにも衝撃的な言葉だった。告白だけでなく、しかもバリ島に一緒に来て欲しいと言われるなんて想像していなかった。
私の喉はカラカラだった。だから慌ててカルーアミルクをゴクゴク飲むと太田先輩を見た。
「あ、あの……そ、それって……」
「一応、結婚を前提に交際を申し込んでいるんだけど?」
太田先輩はじっと私の目を見つめる。
「け、結婚……?」
「そう、結婚。どうかな?」
太田先輩は大人の色気を漂わせ、熱を帯びた目で私を見つめている。そんな、どうかなって言われても……。あまりにも唐突な言葉で頭がパニックになっていた。
その時、亮平の言葉が何故か突然頭に浮かんだ。
『悪いことは言わない。まだ忘れられない男がいるなら……断ったほうがいい』
亮平……。わ、私は……。
「ごめんなさい……」
気付けば……私の口からは謝罪の言葉が漏れ出していた――