本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第20章 2 報告しろ
「あ……貴女は」
彼は私を見ると目を見開いた。
「今晩は。また会ったね」
笑みを浮かべて彼に声をかけた。
「何だ? 鈴音。ファミレスの店員と知り合いだったのか?」
亮平がメニュー表から顔を上げ、私と彼の顔を交互に見る。
「別に知り合いってわけでもないけど……ほんの少しだけ顔見知りってだけだよ。そうだよね?」
「は、はい。それだけの事です」
「ふ〜ん……」
亮平の目は明らかに不審そうな目で彼を見ている。何となく年下の彼を亮平の視線から守ってやらなければと妙な使命感を抱く。
「注文が決まったらまた声をかけるので、どうぞ行ってて下さい」
「は、はい。では後ほど伺います」
彼は頭を下げると去っていった。ふぅ〜……。亮平の様子を伺うと、ジッと彼の後を目で追っている。うぅ……何だかまた嫌な予感がしてきた。
「なぁ、鈴音……。あの男…」
やっぱり! また何か言ってくるつもりだ!
「うわ〜っ。これ美味しそう。私はこれにしよっかな〜」
亮平の目の前にペラリとメニューを見せた。
「ほらほら、これ見て。ウィンターメニュースペシャルだって。このビーフシチューのセットメニュー美味しそう。私はこれにするよ。亮平も早く選んでよ」
「あ、ああ……わかったよ」
亮平は渋々と言った感じでメニュー表を眺め……。
「よし、俺はミックスステーキセットにするか」
「うん、それじゃ頼むね」
亮平は店員呼び出しボタンを押した――
****
その後、それぞれの注文したメニューが届いて2人で熱々の料理を食べていると不意に亮平が話しかけてきた。
「なぁ……鈴音」
「何?」
ビーフシチューをふうふう冷ましながらパクリと口に入れて返事をした。
「あのさっきの男……」
「え?」
嘘っ! まだその話するつもり?
「いないな。帰ったのかな?」
「うん、そうだね? 仕事が終わったんじゃない?」
「ふ〜ん」
亮平はさほど興味なさ気な返事をしながら、ハンバーグステーキを切り分けている。
「そう言えばさ、鈴音に告白してきた男だけど……あれからどうした?」
どうも亮平は最近ずっと私について何か質問してくるときは男の人絡みの話ばかりだ。もう……どうしてなんだろう?
「太田先輩なら、もういないよ」
私はビーフシチューの人参を口に入れると答えた。うん、柔らかくて甘みが合って凄く美味しい。
「いない? 何でだよ?」
亮平がカットしたハンバーグを口に入れた。
「それはね、太田先輩は今日バリ島へ旅立ったからだよ」
「ふ〜んなる程…って……え? な、何だってっ!? バリ島へ行っただって!? 何でそんな重要な事黙ってるんだよっ!」
「何でって……え? それっていちいち亮平に報告しなくちゃならなかったの!?」
「何言ってるんだ? そんなの聞くまでも無いだろう?」
「ええっ!? どうしてよ」
「決まってるだろう? 事情を知っているからだよ」
何それ、意味分からない。
「鈴音、何でそんな重要な事今の今まで黙っていたんだよ」
「え? だって聞いてこなかったじゃない」
「聞かれる前に教えろよ」
「ええっ! 何でよ!」
「俺はお前が心配だから言ってるんだよ。でもその先輩とやらはバリ島へ行ったんだろう? それじゃ交際断ったってことだよな?」
亮平が興奮気味に身を乗り出してきた。
「そうだよ。だって亮平が言ったんじゃない。まだ忘れられない男がいるなら断ったほうがいいって」
「え?」
すると何故か亮平は固まってしまった。
「どうしたの?」
「鈴音……もしかしてまだ川口の事、忘れられなかったのか……?」
亮平は真剣な顔つきで尋ねてきた――
彼は私を見ると目を見開いた。
「今晩は。また会ったね」
笑みを浮かべて彼に声をかけた。
「何だ? 鈴音。ファミレスの店員と知り合いだったのか?」
亮平がメニュー表から顔を上げ、私と彼の顔を交互に見る。
「別に知り合いってわけでもないけど……ほんの少しだけ顔見知りってだけだよ。そうだよね?」
「は、はい。それだけの事です」
「ふ〜ん……」
亮平の目は明らかに不審そうな目で彼を見ている。何となく年下の彼を亮平の視線から守ってやらなければと妙な使命感を抱く。
「注文が決まったらまた声をかけるので、どうぞ行ってて下さい」
「は、はい。では後ほど伺います」
彼は頭を下げると去っていった。ふぅ〜……。亮平の様子を伺うと、ジッと彼の後を目で追っている。うぅ……何だかまた嫌な予感がしてきた。
「なぁ、鈴音……。あの男…」
やっぱり! また何か言ってくるつもりだ!
「うわ〜っ。これ美味しそう。私はこれにしよっかな〜」
亮平の目の前にペラリとメニューを見せた。
「ほらほら、これ見て。ウィンターメニュースペシャルだって。このビーフシチューのセットメニュー美味しそう。私はこれにするよ。亮平も早く選んでよ」
「あ、ああ……わかったよ」
亮平は渋々と言った感じでメニュー表を眺め……。
「よし、俺はミックスステーキセットにするか」
「うん、それじゃ頼むね」
亮平は店員呼び出しボタンを押した――
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その後、それぞれの注文したメニューが届いて2人で熱々の料理を食べていると不意に亮平が話しかけてきた。
「なぁ……鈴音」
「何?」
ビーフシチューをふうふう冷ましながらパクリと口に入れて返事をした。
「あのさっきの男……」
「え?」
嘘っ! まだその話するつもり?
「いないな。帰ったのかな?」
「うん、そうだね? 仕事が終わったんじゃない?」
「ふ〜ん」
亮平はさほど興味なさ気な返事をしながら、ハンバーグステーキを切り分けている。
「そう言えばさ、鈴音に告白してきた男だけど……あれからどうした?」
どうも亮平は最近ずっと私について何か質問してくるときは男の人絡みの話ばかりだ。もう……どうしてなんだろう?
「太田先輩なら、もういないよ」
私はビーフシチューの人参を口に入れると答えた。うん、柔らかくて甘みが合って凄く美味しい。
「いない? 何でだよ?」
亮平がカットしたハンバーグを口に入れた。
「それはね、太田先輩は今日バリ島へ旅立ったからだよ」
「ふ〜んなる程…って……え? な、何だってっ!? バリ島へ行っただって!? 何でそんな重要な事黙ってるんだよっ!」
「何でって……え? それっていちいち亮平に報告しなくちゃならなかったの!?」
「何言ってるんだ? そんなの聞くまでも無いだろう?」
「ええっ!? どうしてよ」
「決まってるだろう? 事情を知っているからだよ」
何それ、意味分からない。
「鈴音、何でそんな重要な事今の今まで黙っていたんだよ」
「え? だって聞いてこなかったじゃない」
「聞かれる前に教えろよ」
「ええっ! 何でよ!」
「俺はお前が心配だから言ってるんだよ。でもその先輩とやらはバリ島へ行ったんだろう? それじゃ交際断ったってことだよな?」
亮平が興奮気味に身を乗り出してきた。
「そうだよ。だって亮平が言ったんじゃない。まだ忘れられない男がいるなら断ったほうがいいって」
「え?」
すると何故か亮平は固まってしまった。
「どうしたの?」
「鈴音……もしかしてまだ川口の事、忘れられなかったのか……?」
亮平は真剣な顔つきで尋ねてきた――