本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第5章 7 彼女?の痕跡
「よし、ベッドも運び終えたし…‥これで引っ越し作業も終了だな」
隆司さんはフウと息を吐いた。
「はい、そうですね。本当に有難うございました」
隆司さんが軽トラを借りてくれたおかげでレンタルボックスに預けておいた私の荷物は全て取り出せ、無事に解約する事が出来た。ふう…これでまた予算を抑える事が出来たかな。
「もう、隆司さんに足を向けて眠れませんね」
「いや、鈴音。この向きだと俺に足を向けて寝る事になってしまうな…」
冗談めかして言うと、隆司さんに本気で返されてしまった。
「えっ?!そ、そんなっ!」
すると次の瞬間、隆司さんが笑い出した。
「アハハハハ…。冗談に決まっているだろう?本当に鈴音は可愛いな」
可愛い…。隆司さんのその言葉に思わず赤面してしまう。
「あ、あの。それじゃ私、荷物片づけるので」
赤くなった顔を見られないように視線を逸らせた。
「ああ、そうだな。後は荷物をしまうだけだし…俺がいたら片づけにくいだろうから、部屋を出るよ」
そう言い残すと隆司さんは部屋から出て行った。
「さて…。それじゃ片付け始めようかな?」
そして私は段ボール箱を開封し始めた――
片づけを始めてどれくらい経過しただろうか。気付けば外はすっかり薄暗くなっていた。
「カーテン閉めなくちゃ」
立ち上がって窓の淡いグリーンカラーのカーテンを閉めようとタッセルを外した時、私はあることに気が付いた。
「え…?」
タッセルでカーテンを開けていた時は気付かなかったけれど、よく見るとこのカーテンには同色系の糸で刺繍がされている。
「これって…女性もの…だよね…」
ひょっとして隆司さんには同棲していた女性がいたのだろうか?彼女はこの部屋を使っていたけれども…何らかの理由があって2人は別れ…恋人は部屋を出て行った。カーテンを処分しなかったのはその女性が忘れられなかったから…とか?気付けば頭の中は隆司さんと女性のラブストーリーが頭の中で出来上がっていた。
「まあ、隆司さんは素敵な人だから同棲していた恋人がいてもおかしくないよね?」
私は独り言のように呟いた。だけど…もし、その彼女が再び隆司さんの前に現れて復縁を迫ってきた時…。
「私、ここにいたら迷惑な存在になるよね…。うん。やっぱり早めにここを出て行こう。節約してお金を貯めて…うちの会社は副業OKだから何か副業でも始めようかな…」
コンコン
その時、部屋のドアをノックする音がきこえた。
「はい」
ドアに向かって返事をすると隆司さんの声が聞こえた。
「鈴音、入ってもいいか?」
「はい、どうぞ。今開けますね」
ガチャリとドアを開けるとそこには隆司さんが立っていた。
「鈴音。もう19時を過ぎたし、何かデリバリーを頼まないか?」
「いいですねえ~そろそろお腹がすいて来たころだったんですよ」
笑顔で言うと、隆司さんがメニューの提案をしてきた。
「鈴音。ピザはどうだい?」
「いいですね~。私、ピザ大好きです」
「何が良い?」
「え~と…何でもいいんですけど…でもそう言うのが一番困りますよね?ちなみにメニューってありますか?」
「ああ、これだよ」
そう言って隆司さんはスマホを見せてきた。おお~…どれも美味しそう…。それじゃ…。
「シーフードピザはどうですか?」
「うん、いいな。ついでに何かサイドメニュー頼んでおくよ。片付け、中断させて悪かったな」
隆司さんが部屋から出て行くと、私は再び片づけを再開した――
隆司さんはフウと息を吐いた。
「はい、そうですね。本当に有難うございました」
隆司さんが軽トラを借りてくれたおかげでレンタルボックスに預けておいた私の荷物は全て取り出せ、無事に解約する事が出来た。ふう…これでまた予算を抑える事が出来たかな。
「もう、隆司さんに足を向けて眠れませんね」
「いや、鈴音。この向きだと俺に足を向けて寝る事になってしまうな…」
冗談めかして言うと、隆司さんに本気で返されてしまった。
「えっ?!そ、そんなっ!」
すると次の瞬間、隆司さんが笑い出した。
「アハハハハ…。冗談に決まっているだろう?本当に鈴音は可愛いな」
可愛い…。隆司さんのその言葉に思わず赤面してしまう。
「あ、あの。それじゃ私、荷物片づけるので」
赤くなった顔を見られないように視線を逸らせた。
「ああ、そうだな。後は荷物をしまうだけだし…俺がいたら片づけにくいだろうから、部屋を出るよ」
そう言い残すと隆司さんは部屋から出て行った。
「さて…。それじゃ片付け始めようかな?」
そして私は段ボール箱を開封し始めた――
片づけを始めてどれくらい経過しただろうか。気付けば外はすっかり薄暗くなっていた。
「カーテン閉めなくちゃ」
立ち上がって窓の淡いグリーンカラーのカーテンを閉めようとタッセルを外した時、私はあることに気が付いた。
「え…?」
タッセルでカーテンを開けていた時は気付かなかったけれど、よく見るとこのカーテンには同色系の糸で刺繍がされている。
「これって…女性もの…だよね…」
ひょっとして隆司さんには同棲していた女性がいたのだろうか?彼女はこの部屋を使っていたけれども…何らかの理由があって2人は別れ…恋人は部屋を出て行った。カーテンを処分しなかったのはその女性が忘れられなかったから…とか?気付けば頭の中は隆司さんと女性のラブストーリーが頭の中で出来上がっていた。
「まあ、隆司さんは素敵な人だから同棲していた恋人がいてもおかしくないよね?」
私は独り言のように呟いた。だけど…もし、その彼女が再び隆司さんの前に現れて復縁を迫ってきた時…。
「私、ここにいたら迷惑な存在になるよね…。うん。やっぱり早めにここを出て行こう。節約してお金を貯めて…うちの会社は副業OKだから何か副業でも始めようかな…」
コンコン
その時、部屋のドアをノックする音がきこえた。
「はい」
ドアに向かって返事をすると隆司さんの声が聞こえた。
「鈴音、入ってもいいか?」
「はい、どうぞ。今開けますね」
ガチャリとドアを開けるとそこには隆司さんが立っていた。
「鈴音。もう19時を過ぎたし、何かデリバリーを頼まないか?」
「いいですねえ~そろそろお腹がすいて来たころだったんですよ」
笑顔で言うと、隆司さんがメニューの提案をしてきた。
「鈴音。ピザはどうだい?」
「いいですね~。私、ピザ大好きです」
「何が良い?」
「え~と…何でもいいんですけど…でもそう言うのが一番困りますよね?ちなみにメニューってありますか?」
「ああ、これだよ」
そう言って隆司さんはスマホを見せてきた。おお~…どれも美味しそう…。それじゃ…。
「シーフードピザはどうですか?」
「うん、いいな。ついでに何かサイドメニュー頼んでおくよ。片付け、中断させて悪かったな」
隆司さんが部屋から出て行くと、私は再び片づけを再開した――