本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第6章 8 話し合い
「鈴音…」
隆司さんが熱を持った目で私を見つめて来て、握りしめる手の力が強まった。…何だか妙な雰囲気になって来たので、ごまかすた為に隆司さんに質問した。
「あ、あの!麻由里さんはどうしてこの部屋に入って来たのですか?」
「ああ。何でもあの部屋を出る時にバスルームで指輪を無くしてしまったらしいから探したいと言って来たんだよ。いくら俺が指輪なんか無いと言っても聞き入れてくれなくて、ほとんど強引に上がり込んできたんだ。挙句に紅茶が飲みたいから下のコンビニで買って来て欲しいって。それを飲んだらすぐに帰るからと言われて買いに行って来たんだよ。俺がいないときに麻由里に会ってしまったんだろう?」
「は、はい。その通りです。でもやっぱり麻由里さんは隆司さんの恋人だったんですね?部屋にいたので正直言って驚きましたけど…」
「ああ。でも全て終わった事だ…何だ?麻由里が部屋にいた事…気にしてるのか?ひょっとして焼いてくれている?だったら嬉しいな」
隆司さんは笑みを浮かべると突然空いてる手で私の顎をつまんで上を向かせて顔を近づけてきた。ひょっとして…キスしてくるつもりじゃ…!
「あ、あのっ!ちょっと待って下さいっ!」
慌てて空いてる手で隆司さんの胸を押しのけると私を切なげな眼で見つめる。
「鈴音…駄目か?」
「い、いえ。駄目と言う事では無く…」
だって私たちは今は恋人同士じゃないんですよ?そう言おうとした矢先にタイミングよく私のスマホが鳴った。
「あ、あの。隆司さん…電話が鳴ってるので出てもいいですか?」
「ああ…電話…出るといいよ」
「は、はい。ありがとうございます」
助かった…あのまま迫って来られたら居候の身の私には拒むことが出来そうに無かったから。安堵の気持ちで着信相手を見て私は息を飲んだ。電話の相手は亮平だったからだ。
もう…!これじゃあ、あまりにもタイミングが悪すぎる!だけど、隆司さんの手前、出ない訳にもいかないし…。観念して電話に出る事にした。
「もしもし」
『鈴音!良かった。電話出てくれて…今大丈夫か?』
「う、うん…大丈夫だよ…」
私は隣に座ってこちらを見つめる隆司さんを見ながら返事をした。すると隆司さんは何か気付いたのか、席を立ってダイニングテーブルの方へと移動した。…気を遣ってくれているのかな…?
『忍にお前の事聞いたら覚えていたんだよ!それで、どうしてお前がこの家にいないのか不思議がっていた。忍…お前を家から出した記憶を無くしてしまっているみたいなんだ。それでお前が何所にいるのか心配しているんだよ。鈴音、忍はお前に会いたがっている。頼む!時間を作って忍に会いに来てくれないか?今なら俺はお前が嘘をついていないって信じられる。忍がお前をあの家から追い出したんだろう?悪かったよ。お前を責めるような言い方をして反省してる。俺も立ち会うから…頼むっ!忍に会ってくれっ!』
電話越しで亮平の切羽詰まる声が聞こえて来る。…でも、本当にお姉ちゃんは私に会いたがっているの?それすら演技だったとしたら…?
『おい、鈴音。俺の話…聞いてるのかよっ?!』
亮平のいらだつ声が電話越しから聞こえてきたその時…。突然私は隆司さんから電話を取り上げられた。
「え?」
戸惑う私をよそに隆司さんは電話に出た。
「もしもし…話なら俺が彼女の代わりに聞くぞ?」
その声は怒りに満ちていた――
隆司さんが熱を持った目で私を見つめて来て、握りしめる手の力が強まった。…何だか妙な雰囲気になって来たので、ごまかすた為に隆司さんに質問した。
「あ、あの!麻由里さんはどうしてこの部屋に入って来たのですか?」
「ああ。何でもあの部屋を出る時にバスルームで指輪を無くしてしまったらしいから探したいと言って来たんだよ。いくら俺が指輪なんか無いと言っても聞き入れてくれなくて、ほとんど強引に上がり込んできたんだ。挙句に紅茶が飲みたいから下のコンビニで買って来て欲しいって。それを飲んだらすぐに帰るからと言われて買いに行って来たんだよ。俺がいないときに麻由里に会ってしまったんだろう?」
「は、はい。その通りです。でもやっぱり麻由里さんは隆司さんの恋人だったんですね?部屋にいたので正直言って驚きましたけど…」
「ああ。でも全て終わった事だ…何だ?麻由里が部屋にいた事…気にしてるのか?ひょっとして焼いてくれている?だったら嬉しいな」
隆司さんは笑みを浮かべると突然空いてる手で私の顎をつまんで上を向かせて顔を近づけてきた。ひょっとして…キスしてくるつもりじゃ…!
「あ、あのっ!ちょっと待って下さいっ!」
慌てて空いてる手で隆司さんの胸を押しのけると私を切なげな眼で見つめる。
「鈴音…駄目か?」
「い、いえ。駄目と言う事では無く…」
だって私たちは今は恋人同士じゃないんですよ?そう言おうとした矢先にタイミングよく私のスマホが鳴った。
「あ、あの。隆司さん…電話が鳴ってるので出てもいいですか?」
「ああ…電話…出るといいよ」
「は、はい。ありがとうございます」
助かった…あのまま迫って来られたら居候の身の私には拒むことが出来そうに無かったから。安堵の気持ちで着信相手を見て私は息を飲んだ。電話の相手は亮平だったからだ。
もう…!これじゃあ、あまりにもタイミングが悪すぎる!だけど、隆司さんの手前、出ない訳にもいかないし…。観念して電話に出る事にした。
「もしもし」
『鈴音!良かった。電話出てくれて…今大丈夫か?』
「う、うん…大丈夫だよ…」
私は隣に座ってこちらを見つめる隆司さんを見ながら返事をした。すると隆司さんは何か気付いたのか、席を立ってダイニングテーブルの方へと移動した。…気を遣ってくれているのかな…?
『忍にお前の事聞いたら覚えていたんだよ!それで、どうしてお前がこの家にいないのか不思議がっていた。忍…お前を家から出した記憶を無くしてしまっているみたいなんだ。それでお前が何所にいるのか心配しているんだよ。鈴音、忍はお前に会いたがっている。頼む!時間を作って忍に会いに来てくれないか?今なら俺はお前が嘘をついていないって信じられる。忍がお前をあの家から追い出したんだろう?悪かったよ。お前を責めるような言い方をして反省してる。俺も立ち会うから…頼むっ!忍に会ってくれっ!』
電話越しで亮平の切羽詰まる声が聞こえて来る。…でも、本当にお姉ちゃんは私に会いたがっているの?それすら演技だったとしたら…?
『おい、鈴音。俺の話…聞いてるのかよっ?!』
亮平のいらだつ声が電話越しから聞こえてきたその時…。突然私は隆司さんから電話を取り上げられた。
「え?」
戸惑う私をよそに隆司さんは電話に出た。
「もしもし…話なら俺が彼女の代わりに聞くぞ?」
その声は怒りに満ちていた――