本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第6章 14 酔いの醒めた後は
「鈴音。このお好み焼きみたいなの…とっても美味いな」
隆司さんは先ほど私がフライパンで焼いたおつまみを美味しそうに食べている。
「これ、美味しいですよね。見たまんまですけど、『キャベツ焼き』って言うんですよ。お好み焼きに似てますけど、具材はキャベツだけなんで、1人暮らししている時によく作って食べていました。お給料日前のお助けメニューですよ」
「そうか。シンプルな料理だけど…とっても美味いよ」
笑みを浮かべて隆司さんは箸を進める。そんなに好きならもっと早くに作ってあげれば良かったな。その後も2人で枝豆を食べたり、サラダを食べたりしながら、気付けばテーブルの上には空き缶やワインの空瓶まで乗っていた。
私と隆司さんはたわいも無い話をしてお酒を楽しんだ。例えば最近観たお気に入りの映画の話や、好きな漫画や小説の話…でもそれらの会話が意味する事は自分でも分かっていたし、隆司さんも分っていたと思う。私が…このタワマンを出て行こうと考えていることを…。
あれからどの位時間が過ぎただろう…。気付けば私はリビングのソファに寄りかかりながら、ウトウトしていた。
「鈴音。こんなところで寝ていたら風邪ひくぞ?」
隆司さんが私を揺すぶっている。
「は、はい…そうですね…」
でも眠たくて眠たくてたまらない。そしてそのまま私は眠ってしまった――
****
ピピピピ・・・・。
何処かでスマホのアラームが鳴っている。
「う~ん…」
ゴロンとベッドの中で寝返りを打つと、隣で人が寝ている気配に気が付いた。
「え…?」
驚いて一瞬で目が覚めると私は隆司さんと同じベッドで眠っていた。しかも私は隆司さんの腕枕で眠っていたのだ。
「う、嘘っ!」
慌てて今の状況を確認して、さらに衝撃を受ける。なんと私も隆司さんも何も服を着ていない。
「!」
途端に羞恥で真赤になる。ここは隆司さんの部屋。そして裸の私と隆司さん・・・。と言う事は、…私と隆司さんは昨夜…?
ど、どうしよう!
昨夜の記憶が…途中から全く無くなっている。でも何となく隆司さんの温もりを肌で感じた気がする・・・・。と、とにかくこのままこの部屋にいるのは何だか色々まずい気がしてきた。隆司さんが目覚める前に早くこの部屋を出て行かなくちゃ!
そこで私は静かにベッドから起き上がると、今度は床の上に自分の服と下着が落ちていることに気付いた。
「!」
再び顔が真っ赤になる。急いで服と下着を拾い上げると、隆司さんを起こさない様にそ~っとゆっくり部屋から抜け出し、自分の部屋へと戻った。
「は~…ど、どうしよう…。私ったら…いくらお酒で意識を無くしたからって…今は恋人でも無い男性と…あ、あんな事を…ん?ところで今何時かな?」
部屋の時計を確認すると時刻は7時を指している。
「7時か…まだ時間に余裕があるな」
通勤着に着替えて、リビングへ行くと部屋が綺麗に片付いていた。空き缶も便も綺麗に分別されているし、洗い物も残されていない。
「ひょっとして…隆司さん…私が寝ちゃったから後片付けしてくれたのかな?」
何だか悪いことをしてしまった。とりあえず、私はまず洗濯をしにバスルームへ向かった。
「これでよし…と」
ドラム式の洗濯機をセットすると、朝ごはんの準備を始めた。
今朝のメニューはトーストにゆで卵、レタスとハムのサラダ。隆司さんから自分が仕事が休みの日は朝ご飯の用意はしなくていいと言われていたので、とりあえず自分の分だけ用意して、手早く食事を済ませた後に片づけをした。その後顔を洗って、美容液などで肌を整えてから軽めのメイク。
「・・・よし。洗濯は終わっているかな…」
バスルームへ行くと、洗濯も既に終わっていた。それをかごに移して、バルコニーで干し終えた時には朝の8時になっていた。
「それにしても…隆司さん遅いな…」
出がけのコーヒーを飲みながら隆司さんの部屋のドアを見つめても、ドアの開く気配が無い。
「具合でも悪いのかな…?」
だけど昨夜身体の関係を持ってしまったと言っても、勝手に男の人の部屋に入るわけにはいかないし、今朝目が覚めた時に隣で寝ている隆司さんは特に具合が悪そうに見えなかった。もう出勤の時間も迫っているし。それにこれはある意味助かったのかもしれない。だって私たちは恋人同士でも無いのにあ、あんなことを…!
「そっとしておいた方がいいかもね…」
飲み終えたコーヒーカップをキッチンへ持って行って洗うと、ショルダーバックを肩から下げて玄関へ向かい、靴を履いた。
「行ってきます」
そっと呟くと私はマンションを後にした――
隆司さんは先ほど私がフライパンで焼いたおつまみを美味しそうに食べている。
「これ、美味しいですよね。見たまんまですけど、『キャベツ焼き』って言うんですよ。お好み焼きに似てますけど、具材はキャベツだけなんで、1人暮らししている時によく作って食べていました。お給料日前のお助けメニューですよ」
「そうか。シンプルな料理だけど…とっても美味いよ」
笑みを浮かべて隆司さんは箸を進める。そんなに好きならもっと早くに作ってあげれば良かったな。その後も2人で枝豆を食べたり、サラダを食べたりしながら、気付けばテーブルの上には空き缶やワインの空瓶まで乗っていた。
私と隆司さんはたわいも無い話をしてお酒を楽しんだ。例えば最近観たお気に入りの映画の話や、好きな漫画や小説の話…でもそれらの会話が意味する事は自分でも分かっていたし、隆司さんも分っていたと思う。私が…このタワマンを出て行こうと考えていることを…。
あれからどの位時間が過ぎただろう…。気付けば私はリビングのソファに寄りかかりながら、ウトウトしていた。
「鈴音。こんなところで寝ていたら風邪ひくぞ?」
隆司さんが私を揺すぶっている。
「は、はい…そうですね…」
でも眠たくて眠たくてたまらない。そしてそのまま私は眠ってしまった――
****
ピピピピ・・・・。
何処かでスマホのアラームが鳴っている。
「う~ん…」
ゴロンとベッドの中で寝返りを打つと、隣で人が寝ている気配に気が付いた。
「え…?」
驚いて一瞬で目が覚めると私は隆司さんと同じベッドで眠っていた。しかも私は隆司さんの腕枕で眠っていたのだ。
「う、嘘っ!」
慌てて今の状況を確認して、さらに衝撃を受ける。なんと私も隆司さんも何も服を着ていない。
「!」
途端に羞恥で真赤になる。ここは隆司さんの部屋。そして裸の私と隆司さん・・・。と言う事は、…私と隆司さんは昨夜…?
ど、どうしよう!
昨夜の記憶が…途中から全く無くなっている。でも何となく隆司さんの温もりを肌で感じた気がする・・・・。と、とにかくこのままこの部屋にいるのは何だか色々まずい気がしてきた。隆司さんが目覚める前に早くこの部屋を出て行かなくちゃ!
そこで私は静かにベッドから起き上がると、今度は床の上に自分の服と下着が落ちていることに気付いた。
「!」
再び顔が真っ赤になる。急いで服と下着を拾い上げると、隆司さんを起こさない様にそ~っとゆっくり部屋から抜け出し、自分の部屋へと戻った。
「は~…ど、どうしよう…。私ったら…いくらお酒で意識を無くしたからって…今は恋人でも無い男性と…あ、あんな事を…ん?ところで今何時かな?」
部屋の時計を確認すると時刻は7時を指している。
「7時か…まだ時間に余裕があるな」
通勤着に着替えて、リビングへ行くと部屋が綺麗に片付いていた。空き缶も便も綺麗に分別されているし、洗い物も残されていない。
「ひょっとして…隆司さん…私が寝ちゃったから後片付けしてくれたのかな?」
何だか悪いことをしてしまった。とりあえず、私はまず洗濯をしにバスルームへ向かった。
「これでよし…と」
ドラム式の洗濯機をセットすると、朝ごはんの準備を始めた。
今朝のメニューはトーストにゆで卵、レタスとハムのサラダ。隆司さんから自分が仕事が休みの日は朝ご飯の用意はしなくていいと言われていたので、とりあえず自分の分だけ用意して、手早く食事を済ませた後に片づけをした。その後顔を洗って、美容液などで肌を整えてから軽めのメイク。
「・・・よし。洗濯は終わっているかな…」
バスルームへ行くと、洗濯も既に終わっていた。それをかごに移して、バルコニーで干し終えた時には朝の8時になっていた。
「それにしても…隆司さん遅いな…」
出がけのコーヒーを飲みながら隆司さんの部屋のドアを見つめても、ドアの開く気配が無い。
「具合でも悪いのかな…?」
だけど昨夜身体の関係を持ってしまったと言っても、勝手に男の人の部屋に入るわけにはいかないし、今朝目が覚めた時に隣で寝ている隆司さんは特に具合が悪そうに見えなかった。もう出勤の時間も迫っているし。それにこれはある意味助かったのかもしれない。だって私たちは恋人同士でも無いのにあ、あんなことを…!
「そっとしておいた方がいいかもね…」
飲み終えたコーヒーカップをキッチンへ持って行って洗うと、ショルダーバックを肩から下げて玄関へ向かい、靴を履いた。
「行ってきます」
そっと呟くと私はマンションを後にした――