本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第6章 21 姉の過去
居間に通してくれたおじさんはソファを勧めてくれた。
「鈴音ちゃん。座りなさい」
おじさんにソファを勧められた。
「ありがとうございます」
ソファに座るとすぐにおばさんがお茶を持って現れた。
「はい、玄米茶よ。鈴音ちゃんは子供の頃からこのお茶が好きだったでしょう?」
目の前でコトンと湯呑を置くと、おばさんがニコリと笑った。
「覚えていてくれたんですか?」
「ええ、勿論」
そしておばさんは私の斜め向かい側のソファに座った。
「本当に久しぶりよね。鈴音ちゃんが家に上がってくるのは」
「そうですね。お父さんとお母さんが飛行機事故で死んでしまって以来ですから…」
そうだった。お姉ちゃんに止められたんだ…。もう亮平の家に上がってはいけないって言われて…。
「あの頃から忍ちゃんは強引だったわね」
「やめないかっ!鈴音ちゃんの前で…」
おじさんはおばさんを止めようとする。
「だけど、やっぱり今回の事と言い…忍ちゃんは鈴音ちゃんに対して酷いと思うのよ。思えばあの子は小さい時から…」
え?おばさんは一体何を言おうとしているの?するとおばさんは私を見た。
「鈴音ちゃん。家にいらっしゃい。もう忍ちゃんに気を遣う事は無いわよ?」
「あ、あの…その前に色々おじさんとおばさんに聞きたいことがあるのですけど。お姉ちゃんの事で…」
「ああ、そうだな。亮平が戻って来るまでに話をしておいた方がいいかもしれない」
「鈴音ちゃんの両親が事故で亡くなってしまった時、おじさんたちは忍ちゃんに言ったんだよ。鈴音ちゃんが高校を卒業するまではこの家で鈴音ちゃんを預かるよって。何せ私たちは明るい鈴音ちゃんが好きだったしね。忍ちゃんは就職したばかりで家事と仕事の両立が大変そうだったからね。それに生活費の事も…」
「そしたら、忍ちゃんが激怒したのよ。私を見くびらないでくださいって。鈴音ちゃん1人位自分で養っていけるので余計な真似をしないでほしいって。あの時は本当に驚いたわ」
おばさんがため息をついた。
「え…?お、お姉ちゃんがそんな事言ったんですか?」
だけど…以前の私ならその話を信じられなかったけれども、今なら何となく分かる気がする。だって私も冷たい言葉を投げつけられてお姉ちゃんにあの家を追い出されてしまったのだから。
「忍ちゃんは子供の頃から努力だったけどプライドも高かったからな…。おじさんたちの言葉が許せなかったのかもしれない。だけど本当に忍ちゃんは頑張っていたよ。努力家でいい娘さんなんだろうけど…」
「きっと婚約者の人が突然死んでしまって張りつめていた糸が切れてしまったのかもね。どうして亮平は忍さんを選んだのかしら。あ、ご、ごめんなさいっ!鈴音ちゃん。仮にも妹の貴女の前でこんな事言って…」
「いえ、いいんです。気にしないで下さい」
私は…冷たい人間なのかな?
お姉ちゃんのあまり良くない話を聞かされても、少しもお姉ちゃんに対して心が動かない。ああ、やっぱりそういう人だったのか…と言う気持ちしか今は沸いてくることが無い。お姉ちゃんはプライドがとても高かったから人に甘える事が苦手だったのかもしれない。だから唯一甘えられる恋人の存在が必要だったのかな?だけど進さんが死んでしまって、お姉ちゃんの心の拠り所が無くなってしまった。けれど、次に亮平という新しい恋人が出来て亮平の幼馴染というポジションにいた私を邪魔に思ったのだろう…。
だったら、やっぱりここにいたらお姉ちゃんの目に触れてしまう。私はここにいてはいけない存在なんだ。
「おじさん、おばさん。気持ちは嬉しいのですが私はやっぱりお世話になるわけにはいきません」
立ち上がって帰ろうとしたとき…。
「ただいま」
玄関がガチャリと開かれる音がして、亮平が私の家から帰って来たーー
「鈴音ちゃん。座りなさい」
おじさんにソファを勧められた。
「ありがとうございます」
ソファに座るとすぐにおばさんがお茶を持って現れた。
「はい、玄米茶よ。鈴音ちゃんは子供の頃からこのお茶が好きだったでしょう?」
目の前でコトンと湯呑を置くと、おばさんがニコリと笑った。
「覚えていてくれたんですか?」
「ええ、勿論」
そしておばさんは私の斜め向かい側のソファに座った。
「本当に久しぶりよね。鈴音ちゃんが家に上がってくるのは」
「そうですね。お父さんとお母さんが飛行機事故で死んでしまって以来ですから…」
そうだった。お姉ちゃんに止められたんだ…。もう亮平の家に上がってはいけないって言われて…。
「あの頃から忍ちゃんは強引だったわね」
「やめないかっ!鈴音ちゃんの前で…」
おじさんはおばさんを止めようとする。
「だけど、やっぱり今回の事と言い…忍ちゃんは鈴音ちゃんに対して酷いと思うのよ。思えばあの子は小さい時から…」
え?おばさんは一体何を言おうとしているの?するとおばさんは私を見た。
「鈴音ちゃん。家にいらっしゃい。もう忍ちゃんに気を遣う事は無いわよ?」
「あ、あの…その前に色々おじさんとおばさんに聞きたいことがあるのですけど。お姉ちゃんの事で…」
「ああ、そうだな。亮平が戻って来るまでに話をしておいた方がいいかもしれない」
「鈴音ちゃんの両親が事故で亡くなってしまった時、おじさんたちは忍ちゃんに言ったんだよ。鈴音ちゃんが高校を卒業するまではこの家で鈴音ちゃんを預かるよって。何せ私たちは明るい鈴音ちゃんが好きだったしね。忍ちゃんは就職したばかりで家事と仕事の両立が大変そうだったからね。それに生活費の事も…」
「そしたら、忍ちゃんが激怒したのよ。私を見くびらないでくださいって。鈴音ちゃん1人位自分で養っていけるので余計な真似をしないでほしいって。あの時は本当に驚いたわ」
おばさんがため息をついた。
「え…?お、お姉ちゃんがそんな事言ったんですか?」
だけど…以前の私ならその話を信じられなかったけれども、今なら何となく分かる気がする。だって私も冷たい言葉を投げつけられてお姉ちゃんにあの家を追い出されてしまったのだから。
「忍ちゃんは子供の頃から努力だったけどプライドも高かったからな…。おじさんたちの言葉が許せなかったのかもしれない。だけど本当に忍ちゃんは頑張っていたよ。努力家でいい娘さんなんだろうけど…」
「きっと婚約者の人が突然死んでしまって張りつめていた糸が切れてしまったのかもね。どうして亮平は忍さんを選んだのかしら。あ、ご、ごめんなさいっ!鈴音ちゃん。仮にも妹の貴女の前でこんな事言って…」
「いえ、いいんです。気にしないで下さい」
私は…冷たい人間なのかな?
お姉ちゃんのあまり良くない話を聞かされても、少しもお姉ちゃんに対して心が動かない。ああ、やっぱりそういう人だったのか…と言う気持ちしか今は沸いてくることが無い。お姉ちゃんはプライドがとても高かったから人に甘える事が苦手だったのかもしれない。だから唯一甘えられる恋人の存在が必要だったのかな?だけど進さんが死んでしまって、お姉ちゃんの心の拠り所が無くなってしまった。けれど、次に亮平という新しい恋人が出来て亮平の幼馴染というポジションにいた私を邪魔に思ったのだろう…。
だったら、やっぱりここにいたらお姉ちゃんの目に触れてしまう。私はここにいてはいけない存在なんだ。
「おじさん、おばさん。気持ちは嬉しいのですが私はやっぱりお世話になるわけにはいきません」
立ち上がって帰ろうとしたとき…。
「ただいま」
玄関がガチャリと開かれる音がして、亮平が私の家から帰って来たーー