本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第6章 22 姉の本性
「お帰り亮平。忍ちゃんの様子はどうだったんだ?」
おじさんがどこか疲れた顔の亮平を迎えると尋ねた。
「ああ。俺が家に上がった時は泣きつかれてソファの上で眠っていたみたいなんだ。俺の来るのが遅かったから…」
「まあ…そうだったのね…」
おばさんは溜息をつく。
「・・・」
私は亮平の話を信じられない思いで聞いていた。てっきり進さんを轢き殺した犯人が捕まった話を聞けば、お姉ちゃんは喜ぶと思っていたのに、逆に症状が悪化してしまうなんて。どうしてこんな事になってしまったのだろう。私は今お姉ちゃんに憎まれているに違いない。おじさんとおばさんの話を聞いてますますそう思ってしまった。私は本当はお姉ちゃんにとって足手まといな存在だったのかもしれない。同じ血を分けた姉妹なのに、お姉ちゃんは私の前でずっと偽りの仮面をつけていただけなのかもしれない。
おじさんとおばさんの前で激怒した…。それが本来のお姉ちゃんの姿だったのかな?
亮平は溜息をついて、ソファに座ろうとして…私が立ったままでいたことに気が付いたのか、声を掛けてきた。
「ん?鈴音。どうしてお前そんなところで立っているんだ?」
「え…と、私…やっぱり帰ろうかと思って…」
「帰る?何でだよ?忍の様子を見に来たんじゃないのか?それをここまで来て帰るだなんて。あまりにも無責任すぎると思わないか?」
亮平が私を恨めしそうな目で見た。
「無責任?だ、だって今、お姉ちゃんは眠ってるんでしょう?だったら行っても意味ないじゃない。それにやっぱり私は会わない方がいいと思う」
「何でだよ?」
「だっ…私はきっとお姉ちゃんに恨まれてるから…」
「鈴音ちゃん…」
おばさんが心配そうに私を見た。
「何でそんな事言うんだよ?忍が鈴音の事を恨むはずがないだろう?お前の事すごく大事に思っているのに」
まただ。亮平はどうしてそこまでしてお姉ちゃんを美化するの?お姉ちゃんだって醜い部分を持ってるんだよ?最も私がその事を知ったのは、本当につい最近の事だったけど…。そんなにお姉ちゃんの事を盲目的に愛しているの?
どうせ、亮平は私が何を言っても信じてくれないだろう。私はお姉ちゃんに疎まれていると言う話をしたって聞いてくれなのは分かってる。思わず言葉に詰まっているとおじさんが止めた。
「よさないか、亮平。忍ちゃんと鈴音ちゃんは姉妹だ。姉妹の前でしか自分の本性をさらけ出さない人間だっているんだ。亮平、お前は所詮他人だ。だからこそ、忍ちゃんがお前に本性を見せない…そうは思えないのか?」
「いや。俺はいずれ忍と結婚するんだ。そうすれば他人じゃなくなる。俺はずっと忍の傍から離れないって心に決めたんだからな」
結婚…覚悟はしていたけど、改めて亮平の口からその言葉を聞いた時、まるで自分の心に大きなナイフが突き刺さったかのような激しい胸の痛みを感じ、私は胸を押さえた。心臓の動機は激しくなり、耳元でうるさいくらいにドキドキなって聞こえてくる。私の全身からはまるで血の気が引いていくように体中を恐ろしい寒気が走りぬけている。駄目だ、冷静にならなくちゃ…。
その時―
「わ、私は反対よっ!」
突然おばさんがヒステリックに叫んだ。
「え…おばさん?」
おばさんは身体をブルブル震わせながら亮平を見た。
「な、何言ってるんだよ、母さん。結婚を決めるのはこの俺だ。いくら親だからって口出しする権利はないだろう?」
「関係ない?そんなはずないでしょう?結婚するって事は…忍ちゃんはこの家のお嫁さんになるって事になるのよ?!今の忍ちゃんを受け入れられるはずないでしょうっ?!どうしても…これほどまでに反対しているのに忍ちゃんと結婚するって言うなら親子の縁を切らせて貰うわよっ?!」
おばさんの言葉に私は耳を疑った――
おじさんがどこか疲れた顔の亮平を迎えると尋ねた。
「ああ。俺が家に上がった時は泣きつかれてソファの上で眠っていたみたいなんだ。俺の来るのが遅かったから…」
「まあ…そうだったのね…」
おばさんは溜息をつく。
「・・・」
私は亮平の話を信じられない思いで聞いていた。てっきり進さんを轢き殺した犯人が捕まった話を聞けば、お姉ちゃんは喜ぶと思っていたのに、逆に症状が悪化してしまうなんて。どうしてこんな事になってしまったのだろう。私は今お姉ちゃんに憎まれているに違いない。おじさんとおばさんの話を聞いてますますそう思ってしまった。私は本当はお姉ちゃんにとって足手まといな存在だったのかもしれない。同じ血を分けた姉妹なのに、お姉ちゃんは私の前でずっと偽りの仮面をつけていただけなのかもしれない。
おじさんとおばさんの前で激怒した…。それが本来のお姉ちゃんの姿だったのかな?
亮平は溜息をついて、ソファに座ろうとして…私が立ったままでいたことに気が付いたのか、声を掛けてきた。
「ん?鈴音。どうしてお前そんなところで立っているんだ?」
「え…と、私…やっぱり帰ろうかと思って…」
「帰る?何でだよ?忍の様子を見に来たんじゃないのか?それをここまで来て帰るだなんて。あまりにも無責任すぎると思わないか?」
亮平が私を恨めしそうな目で見た。
「無責任?だ、だって今、お姉ちゃんは眠ってるんでしょう?だったら行っても意味ないじゃない。それにやっぱり私は会わない方がいいと思う」
「何でだよ?」
「だっ…私はきっとお姉ちゃんに恨まれてるから…」
「鈴音ちゃん…」
おばさんが心配そうに私を見た。
「何でそんな事言うんだよ?忍が鈴音の事を恨むはずがないだろう?お前の事すごく大事に思っているのに」
まただ。亮平はどうしてそこまでしてお姉ちゃんを美化するの?お姉ちゃんだって醜い部分を持ってるんだよ?最も私がその事を知ったのは、本当につい最近の事だったけど…。そんなにお姉ちゃんの事を盲目的に愛しているの?
どうせ、亮平は私が何を言っても信じてくれないだろう。私はお姉ちゃんに疎まれていると言う話をしたって聞いてくれなのは分かってる。思わず言葉に詰まっているとおじさんが止めた。
「よさないか、亮平。忍ちゃんと鈴音ちゃんは姉妹だ。姉妹の前でしか自分の本性をさらけ出さない人間だっているんだ。亮平、お前は所詮他人だ。だからこそ、忍ちゃんがお前に本性を見せない…そうは思えないのか?」
「いや。俺はいずれ忍と結婚するんだ。そうすれば他人じゃなくなる。俺はずっと忍の傍から離れないって心に決めたんだからな」
結婚…覚悟はしていたけど、改めて亮平の口からその言葉を聞いた時、まるで自分の心に大きなナイフが突き刺さったかのような激しい胸の痛みを感じ、私は胸を押さえた。心臓の動機は激しくなり、耳元でうるさいくらいにドキドキなって聞こえてくる。私の全身からはまるで血の気が引いていくように体中を恐ろしい寒気が走りぬけている。駄目だ、冷静にならなくちゃ…。
その時―
「わ、私は反対よっ!」
突然おばさんがヒステリックに叫んだ。
「え…おばさん?」
おばさんは身体をブルブル震わせながら亮平を見た。
「な、何言ってるんだよ、母さん。結婚を決めるのはこの俺だ。いくら親だからって口出しする権利はないだろう?」
「関係ない?そんなはずないでしょう?結婚するって事は…忍ちゃんはこの家のお嫁さんになるって事になるのよ?!今の忍ちゃんを受け入れられるはずないでしょうっ?!どうしても…これほどまでに反対しているのに忍ちゃんと結婚するって言うなら親子の縁を切らせて貰うわよっ?!」
おばさんの言葉に私は耳を疑った――