超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
だけど「ここが翼の部屋ね」と、ノックもせず次のドアを開ける。
――ガチャ。
「入る時はノックしろっていつも言ってるだろーが!」
(ひぃ!やっぱり激怒ー!)
クッションをブオンと投げられたので、急いで扉を閉める。
「ごめんね白石くん!」
「で、隣の部屋が千里。その隣が俺」
白石くんに謝る私の姿は見えてるのか、見えていないのか。はたまた見えてもお構いなしなのか、四条くんは変わらず案内を続けた。あの白石くんを前にしても動じない鋼の精神。四条くんって、怖いもの知らずだ。
「ってことだけど。大体わかった?」
「うん。メモしたから大丈夫っ」
案内が終了する頃には、スマホに打ち込んだメモがすごい量になっていた。これ全部覚えられるかな?
「それにしても四条くんはいつ寮に来たの?」
「一週間前。小学校の卒業式が早かったから、すぐ引っ越してきた。翼もそう」
そっか。学校が違うと卒業式の日も違うもんね。県が違えば、なおさら。
「あ、そうだ。この寮だけ学食ないから。ご飯は自分で用意して」
「なんで!?」
「俺たちが行くと、食堂が混雑して迷惑になるから。でも食堂を利用できないお詫びとして、特別に学校が食費をくれてる。たっぷりじゃないけど、贅沢しなかったら普通に足りる。近くにスーパーもあるし」
「なるほど。大変だね……」
誰も悪くもないのに食堂を出禁にされ、自炊を強いられる皆……ものすごく不憫だ。けど当の本人たちは、案外気にしていないらしい。ばかりか好きな物を食べられるから、喜んでいたりして。