超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
last・しあわせなデート
「運動場に戻るから、後はお願いしていいかしら。困ったことがあったら、遠慮なく放送で呼び出してね」
「わかりました」
白衣を着た先生が、保健室を後にする。残されたのは、パイプ椅子に座る私と、ベッドに横になった葵くん。
実は……二校合同体育祭。最後の最後で、葵くんは赤チームを勝利に導いた。だけど競技が終わり、応援テントに到着した途端。
『もう無理……』
『キャー!葵くん、しっかり!』
ついに倒れてしまい、すぐに保健室に運ばれた。その付き添いとして私が同行し、今に至る。
現在、運動場では閉会式が行われており、理事長が挨拶をしている。紫温先輩のお父さん、紫温先輩とそっくりだったなぁ。
「っていうか、終わったんだ。赤チーム、優勝したんだ」
葵くんのおかげで勝てた。皆の期待に応えて、最下位から一位に返り咲いて……すごかったなぁ。
「カッコよすぎだよ、葵くん」
「今の言葉……本当?」
「え!?」
見ると、さっきまで眠っていた葵くんが、いつの間にか目を覚ましていた。無理やり起きようとする葵くんの肩を、急いで制止する。
「先生が、軽い熱中症と睡眠不足って言ってた。まだ寝ていないとダメだよ」
だけど鍛え抜かれた体を、どうこうできる力が私にはなくて。いくら押し返しても、葵くんは横にならなかった。ばかりか、起きたばかりとは思えない真剣な眼差し。