超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「ちょっと歩くけど平気?足は痛くない?」
「ありがとう、大丈夫!」
だけどお店を後にして、ほんの少し。葵くんの言う「ちょっと歩く」は、十分もしない内に終わりを告げた。到着したのは、展望台がある広い公園。
「少し階段を上がっただけなのに、すごく見晴らしがいいね!」
「夕日がキレイなんだ。今日は晴れてるからちょうどいいかなって」
(あ、それで)
紫温先輩が門限の話をした時に、あぁ言ったんだ。
『せめて18時にしてくれない?』
私に、この景色を見せたかったからなんだね。
「ねぇ葵くん。私ね、今日がすごく楽しい。このまま終わるのがもったいないくらい、本当に楽しいの」
「ひなる……俺も。今日が終わってほしくないくらい、すごく楽しい」
「へへッ」
恥ずかしいことを言ってるのに、どうしてか落ち着くのは……葵くんと一緒だからかな。葵くんと一緒にいるとドキドキすることが多いけど……それ以上に嬉しい。
「一緒の寮に住み始めて、まだ一か月くらいだけどさ。葵くんには、たくさん助けてもらったね。それに体育祭の時……本当にカッコよかった」
目を閉じると、鮮明に思い出す。必死に走る葵くんの姿。
「葵くんが一位になった瞬間、ずっと忘れないと思う。それくらいカッコよかった!」
「あの時さ……ひなるの姿が見えたんだ」
「私の?」
こくりと、葵くんが頷いた。