超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
グイと肩を引き寄せられ、遊馬先輩の胸の中におさまる。その瞬間、ベルを鳴らしながら自転車が通った。
「あ、ひなるちゃん見て。あの人もすごい荷物だよ、仲間だね」
「ふふ、本当ですね」
遊馬先輩の心臓の音が、耳元で聞こえる。やっぱり遊馬先輩って背が高いなぁ。
先輩から離れ、また二人並んで歩く。
「あ、そうだ。スーパーの中で先輩、あぁ言ったじゃないですか」
『全部買えたらいいのに』
『いっそ全部買っちゃう?紫温くんのコネを使ってさ』
「あれって、どういう意味なんですか?」
言うと、遊馬先輩はキョトンとする。珍しい表情に釘付けになっていると「ひなるちゃんは知らないのか」と先輩は呟いた。
「ナツ校とフユ校。元々は一つの中学校だったのは知ってるよね?」
「冬夏中学校ですよね」
「そうそう。初代理事長がね、紫温くんのご先祖なんだ。で、それ以来ずっと紫温くんのお家が理事長を務めてる。そして今のナツ校とフユ校、理事長は同じ人。なんと紫音くんのお父さんだよ~」
「えぇ⁉」
ってことは氷上先輩は、理事長の息子さん⁉
あ、だからあの時――
『理事長がOK出したということは〝一緒に住んで大丈夫〟と判断したって事でしょうね。なら……責任とって、この五人で部屋を使います』
なんの責任だろう、って思っていたけど。なるほど。自分の父親がOKした責任をとって、私を受け入れ一緒に住みますよって事だったんだ。