超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「すごい人なんですね、氷上先輩って」
「凄いって言うか怖いよ。フユ校では〝氷の生徒会長〟って呼ばれてるらしいし。実際、会議とかで顔を合わせるとおっかないんだ~」
「氷⁉」
そんな異名がつくほど怖そうには見えなかったけどなぁ。でも隣でブルッと身震いする遊馬先輩がウソついてるとは思えないし。うぅむ、謎は深まるばかり。
「皆さんの事を新たに知れました! 遊馬先輩、ありがとうございますっ」
「いいけど……ひなるちゃん、男がいる寮に住めるの?思春期の女の子が親元を離れて男子と生活って……普通イヤじゃない?」
「私、やりたい事があってナツ校を受験したんです。それを達成するためなら我慢できます!あ、寮に着きましたよ」
玄関を目指す途中で、地面にピンクの絨毯が出来ていることに気付いた。学校に咲く花びらが、風に乗ってここまで飛んで来たんだ!記念に何枚か花びらを集め、靴箱でスリッパに履き替える。――あ。靴に桜の花びらがついてる!可愛いなぁ。
「遊馬先輩~、これ見てくださいよッ!」
桜のついた靴を見た遊馬先輩が、ニコリと笑う。そして静かに私へ手を伸ばした。また頭を撫でられるのかな?と思っていると、先輩は一瞬だけ髪に触れた後、すぐ離れて行く。
「今、なにかしました?」
「ううん。ひなるちゃんの事を〝可愛いな〟って見てただけ」
「うすうす気づいてましたが、遊馬先輩って軽いですよね?」
「そんなことないよ~」
笑いながら、寮へ入っていく遊馬先輩。すると入れ違いで、誰かが出て来た。涼しそうな黒のスポーツウェアを身にまとうのは、四条くん。