超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「にしても〝似合ってる〟って何?」

ラッキーなことに、ちょうど玄関に全身鏡があった。覗き込むと、ついていたのは桜の花。満開の桜が、まるでかんざしのように。私の耳の上に、差し込んであった。

「遊馬先輩だ……」

そう言えば、さっき私に手を伸ばしていた。あの時につけられたに違いない。もしかして四条くん……自ら私がさしたって思ってないかな?だとしたら恥ずかしい!

「でも〝似合ってる〟って言ってくれたよね?」

あの時、柔らかく笑った四条くんを思い出す。クールな人って思っていたから、まさか「似合ってる」なんて。

「優しいなぁ」

っていうか、四条くんには部屋を案内してもらったりと、優しいところしか見ていない。何かお返しが出来たらいいんだけど……あ!

「一時間も走ったら、お腹すくよね?」

よし――と気合を入れ、寮に戻り自分の部屋からエプロンを引っ張りだす。そして遊馬先輩に見守られながら、カレー作りを開始した。
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