超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「ご飯だ風呂だって気を遣ってくれるのは嬉しいけどさ。ひなるは寮母じゃない、俺たちのルームメイトでしょ。だから世話やかなくて良い。自分の好きなような過ごしなよ」
「あ……」

四条くん、そんなことを考えていてくれたんだ。そうか、私……邪魔者じゃなくて、この部屋の一員なんだ。ルームメイトなんだ。

「まぁ、男子ばかりで落ち着かないってのは分かるけど」
「楽しいよ。最初はどうなる事かと思ったけど、皆と一緒にいられて嬉しい」
「……そっか。それなら良かった。今日は疲れただろうし、早く寝て」
「うん。四条くんも!」

自分の部屋に戻る前に、四条くんに「おやすみなさい」とあいさつする。すると恥ずかしそうな顔で、手をフリフリ~って返してくれた。ふふ、なんだか可愛いな。

「にしても四条くんってば、急に名前で呼ぶんだから……っ」

顔色一つ変えずに「ひなる」って呼んだ。名前呼びは嬉しい、嬉しいけど!男子に名前で呼ばれたことないから、ドキドキしちゃう。

「誰にでも、あんな感じなのかな。なんか四条くんって、天然そうだし。だとしたら、きっと教室でもモテモテだ」

はぁ――と。ため息がこぼれた。

「ん?なんで私、ため息ついちゃったの?」

心臓に手をやると、ドキドキ・ドクドクって。いつもより速く鼓動が動いている。……疲れかな?明日は入学式だし、今日は早く寝よう!

「たくさんお友達が出来るといいなぁ」

さっきまで四条くんが座っていた椅子を見る。それだけのことなのに、ドキドキして頭がシャッキリしちゃった。部屋に戻っても、浮かぶのは四条くんのことばかり――そんなこんなで。早く寝ようと焦ったからか、なんなのか。ソワソワと落ち着かない夜を過ごした。
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