超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
女子という女子が、白石くんを見ている。フユ校の女子たちは「制服が同じだから、あの人もフユ校だ!」と喜び、ナツ校の女子たちは、ガックリ肩を落としていた。だけど、彼女たちに言いたい。
(白石くんと同じくらいカッコいいイケメンが、ナツ校にもいるよ!新入生代表の挨拶するよ!)
まるで身内を自慢するみたいな心境だ。でも四条くんは本当にカッコいいから。それは本当に、本当だから!
――チクッ。
(ん?チクッ?)
新入生代表の挨拶をする四条くんを、たくさんの女子が目をハートにして見る――その光景を想像すると、胸が痛くなったような。気のせいかな?
「……おい」
「ん?」
「なんで何も喋らねーんだよ」
まだ原稿を片手に持った白石くんが、吊り上がった目を私に向ける。
「原稿を覚えたいかなって。邪魔したくないし」
「お前、心細いんだろ?だから一緒に来たんだろ?なら話でもすりゃ、少しは気がまぎれるんじゃねーの?」
「ううん。白石くんが隣にいてくれるだけで充分だよっ」
「!あっそ」
鳩が豆鉄砲を食らった顔の白石くん。ちょっとレアだ!隠れて笑っていると、いつの間にか校門に到着した。
ついに来ちゃった……!ここから先は一人だと思ったら、急に足が震え始める。周りを見ると、もう仲良く登校している女子たちがいた。早くない?もう友達できちゃったの?教室で私だけ一人だったらどうしよう!
すると「おい」と。白石くんのデコピンが、私のオデコを直撃する。