超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
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「じゃあ、この書類に必要事項を記入してね。設立が許可されるのは申請書に書いてある通り、一週間以内に部員が十人集まった場合のみ。頑張ってね♪」
「十人⁉でも設立大歓迎って……!」
「ある程度は人気のある部活じゃないと、継続して部費を出せないからねぇ。こればかりは仕方ないわね」
ホームルームが終わった後。担任の日野(ひの)先生に会いに、職員室へやって来た。日野先生は若い女の先生で、親しみやすい雰囲気。さっそく皆は「日野ちゃん」って呼んでいる。いま顔を青くしている私もしかり。
「日野ちゃん。私、十人集める自信がないです……」
「でも部活として成立すれば、週二回の調理が可能。更にはコンクールに出場したり、文化祭でも模擬店を出せるわよ!お友達とか知り合いとか、片っ端から声を掛けてみたら?」
「さっきアキラちゃんに〝入らない〟って言われました……」
アキラちゃんから「お菓子を食べたら太る」と断られた。手を合わせて謝ってくれたけど、アキラちゃんは悪くない。入るも入らないも自由だもんね。それに、もしアキラちゃんが入ってくれたとしても全然たりないし……。
泣きそうな私を見て、日野ちゃんが穏やかな笑みを浮かべる。
「大丈夫。既に千里さんが部員の一人だから、残りは九人よ!楽勝楽勝♪」
「だから、それが無理なんですってー!」
職員室で叫んだ後――どんよりした気持ちで寮に帰る。
「ただいま帰りました~……あ」
リビングには低いソファがある。そこに〝新入生代表の挨拶〟の大役を終えた白石くんが、寝転んでお昼寝していた。