超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
『ひなるのママと一緒でね。結婚してすぐ、おじいちゃんが病気でいなくなっちゃったの。もう寂しくてね。でも……寂しがってばかりじゃ、おじいちゃんも天国に行けないでしょ?だから趣味を見つけることにしたの。それがおかし作り。
だから、ひなるもね。寂しくなった時、おかしを作るといいよ。おかし作りはね、寂しさが紛れるから。それに、おかしを食べていると不思議と元気になってくるの』
そう語ってくれたおばあちゃんは、私が小学四年生の時に病気で他界した。そして家には、私とお母さんだけになった。だけどお母さんは変わらず仕事ばかりで……寂しかった。その時に、おばあちゃんの言葉を思い出した。
『ひなるもね。寂しくなった時、おかしを作るといいよ』
お小遣いの範囲で材料をそろえて、おばあちゃんが残したレシピ本を見ながら、一生懸命に作った。だけど、いつも失敗しちゃって。全然おいしくならなかった。
『おばあちゃんみたいに上手くできないよ。おばあちゃん、帰ってきてよ……っ』
甘くないおかしを食べても、寂しさは増すばかり。お母さんもおかし作りは苦手なようで、休日に誘っても「失敗するから」と断られることがほとんどだった。おばあちゃんがいなくなった家は、途端に広く感じて。静かで、やっぱり寂しかった。
おかしを上手に作りたい、美味しいおかしを食べて元気になりたい――その想いは強くなっていくけど、解消する方法が見つからなかった。
ナツ校のホームページを見つけたのは、そんな時だった。