超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「俺が作ったから味の保証はないけど」
「四条くんが作ってくれたの!?嬉しいっ」

起きた千里の目は、これでもかと言わんばかりに輝いている。「葵が作った」と知って、その輝きはいっそう増したように見えた。気のせい、だよな。

(いや、俺が気のせいであってほしいと思ってるのか)

もしかして俺は千里の事が好きなのか――と自分の気持ちに向き合い始めた時。千里の頬に、カルボナーラがついているのを発見する。教えると、千里は目に見えない速さでふきとった。赤面して「ごめんね」と照れる姿に、また心がザワつく。

「千里……俺のこと、翼って呼べよ」
「でも」
「こ、ここでは皆そう呼んでるしな!」
「わかった、ありがとう翼くん!じゃあ私のことも、ひなるって呼んでねっ」
「!おぅ」

思いがけない返しに、心がはずむ。あぁ、ちくしょう。俺って、こんなキャラじゃなかったのにな。なんで千里――いや、ひなるの前だと、おかしくなっちまうんだ。

「顔が赤いよ。翼くん、大丈夫?」
「な、何でもねーよ!」

明らかに「何でもなくない俺」に気付かないひなるは、ニッコリ笑った。だけど、コイツは違う。

「……」
「なんだよ、葵」
「……別に」

まるで俺の気持ちを探るように、ジッと見つめてくる葵。悟られたくなくて、まだ知られたくなくて。俺はパスタを食べた後、すばやくリビングを後にした。

*翼side終*
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