超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「疲れた時には甘い物だよ。これ、どうぞ」
「私が食べていいんですか?」
「もちろん。この前のカレーのお礼。それと今朝、千里さんが落ち込んでいるように見えたから。食べて元気だしてね」
「わぁ~!ありがとうございます、元気でます!でも……可愛くて食べられないなぁ」
「ふふ、それは困った」
――ブスリ。
(ん?ブスリ?)
見ると、和菓子を切る木の棒が、見事にウサギにささっていた。棒を持つ氷上先輩は、遠慮なく片耳をすくう。すると案の定というか。バランスを崩したウザギは、ぐにゃりと崩れていった。
「わー先輩!何てことするんですか~!」
「食べやすいサイズにしようと思って。ダメだったかな」
「まだ写真を撮ってなかったんです!!」
「あらら」
先輩は眉を下げて、くしゃりと笑う。しまいには「ごめんね」って頭をなでて……これが年上の貫禄なのかな。半泣きの私を前にしても、全く動じていない。氷上先輩って余裕のある、大人っぽい人だ。
「また買って来るからさ。今はたくさん食べて、早く元気になってね。その方が俺も嬉しいから。あと、力になれるか分からないけど、悩みがあるなら聞くよ?」
「じ、実は……」
一部始終を話すと、氷上先輩は「それなら」と手を叩く。