超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「10分待ってろ」
「え、作ってくれるの?」
「……助けてほしいんだろ?」
「翼くん、ありがとう!」
ちょっと照れたらしい翼くんは、「ん」と短く返事をした後。机上にパソコンを置き、珍しい形のマウスを使って作業を始める。すごい、翼くんって天才だ。
作業の邪魔にならないよう、椅子に掛けて静かに待つ。そして、約束の10分後。
「こんな感じでどうだ?」
「わぁ、すごい!」
「女子感満載でかわいいね」
部屋にあるプリンターから、完成したポスターを持ってきた翼くん。おかしのイラストが美味しそうだし、丸みのある文字も可愛い!背景のパステルカラーも、余白の取り方も、全てにおいてプロ並み!すごすぎるよ!
――ぎゅっ。
「翼くん、ありがとう!本当にありがとう!」
「わ、分かったから手を離せ!暑苦しい!」
握った手は、秒で離された。だけど、めげてる暇はない。アプリへアップロードをお願いし、データを印刷するためコンビニへ急ぐ。
「俺の部屋で印刷すればいいだろ」
「でも、それは翼くんの私物だし。お仕事道具でもあるんでしょ?なら、私が気軽に使っちゃダメだよ。だから行って来る!氷上先輩、お茶とお菓子ご馳走様でした。美味しかったですっ」
バタンと勢いよく閉められたドア。その内側で翼くんと氷上先輩は、空になった私の席を見つめる。