超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「ったく。アイツは不器用なくせに真面目すぎんだよ」
「でもそこが好きなんだから、惚れた弱みだよね」
「はぁ⁉」
真っ赤になった翼くんを見て、氷上先輩はクスリと笑った。同時に、机上に部活登録申請書が置かれたままになっているのを見つける。
「千里さん、大事なものを片付け忘れているね。翼くん、渡してあげてくれる?」
「……わかった」
文句の一つでも飛んでくるかと思いきや、素直に頷く翼くん。意外な反応に、氷上先輩は肩を揺らして笑った。
「書類を渡すって言う、会う口実が出来るもんね。さすが新入生代表の挨拶をするだけある。頭がいい」
「ちげーよ!ったく、おちょくるんなら部屋に戻る。役目は果たしたからな」
「うん、ありがとうね」
去って行く翼くんに、片手を上げ挨拶する氷上先輩。そうして、リビングは一瞬にして静かになった。
「あれ?千里さん、いつ全部食べたんだろう」
ウサギが乗っていたお皿が空になっているのを見て、氷上先輩は不思議がる。だけど出かける前に満面の笑みだった私を思い出し「元気になってくれて良かった」と。嬉しそうにほほ笑んだ。