超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

驚く私とは反対に、クールな表情のまま歩く四条くん。彼がピタリと歩みを止めたのは、期間限定のおかしが並んでいる棚。さっき私が、泣く泣く購入を諦めた場所だ。

「どれが食べたい?」
「え?」
「コンビニから出る時、ココに目が釘付けだったから。あんな物欲しそうな顔を見たら、さすがにスルーできないよ」
(どんな顔してたんだろう、恥ずかしい!)

穴があったら入りたいよ……!でも四条くんはクスリと笑うだけで、決して私をからかわなかった。ばかりか、頭をポンポンなでる。

「ひなる、がんばって友達を作っていたし。そのご褒美ってことで」
「見ててくれたんだね、ありがとう四条くん!あ……でも今日ね、氷上先輩からご褒美もらったんだ」
「紫温さん?」

首を傾げる四条くんに、和菓子のことを伝える。すると眉間にシワが寄り、明らかに四条くんの気分が下がっていた。

「また出遅れた……」
「なにに遅れたの?」
「……なんでもない」

今度は、すねた顔。そんな顔だってカッコいいんだから、四条くんって本当にイケメンだ。

「コレと、コレと……」
(ん?)

まるで玉入れの手つきで、おかしをカゴに入れていく四条くん。大量のおかしが投入された後、スムーズに会計を済ませ退店した。
「ありがとうございましたー」の声で、ハッと我に返る。どうやらさっきの光景は夢じゃなかったようで、四条くんの右手は大きなビニール袋を握っている。しかも、それだけじゃなく。驚くことに四条くんの左手は、私の手を握っていた!
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