超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「え?えっと、あのさ!」
なんで手を繋いでいるんだろう?とか、手汗がすごくてごめんなさい!とか。色んな気持ちがグルグル回る。だけど沈黙にも耐えられなくて、しどろもどろに話していると、
――ギュッ
繋がった手に、力が込められた。
「落ち着いて、ひなる」
「……っ」
この手を離せば落ち着くって、自分でも分かってる。分かってるハズなのに……なぜか「手を離して」って言えなかった。二人で寮を目指す間、繋いだ手は熱くなっていくばかり。
「コンビニのカゴって、こういう時に必要なんだね。俺、初めて使った」
「初めて?」
「普段はスーパーで買うから」
確かに学生にとって、お金の問題はきってもきれない。少しでも安く済ませたいなら、スーパーに限る。でも、だったらどうして、さっきたくさんのおかしを買ったんだろう。
「俺さ、いつもサッカーしか頭にないんだ。逆にそれ以外に関心がないから、周りが見えてないってよく言われる」
「そうなんだ」
驚きの事実。いつも気が利くから、すごく周りを見る人かと思ってた。真逆なんだ。
「サッカーさえ出来ればいいと思っていたし、サッカー以外の事で人より遅れて行動するのも苦じゃなかった。それでもいいやって思ってたし。
だけど……ひなるは別なんだ」
「私?」
四条くんが、足を止めて私を見る。
「誰にも渡したくないって思う。ひなるの事で、誰かに遅れをとるのは嫌なんだ」
「え……?」