超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

それって、それって……!
ドキドキする心臓を、服の上から押さえる。こうすれば落ち着くかと思ったけど、心拍数は上がるばかり。しかも四条くんの話が止まらないから、更にゆでだこ状態になった。

「翼を呼ぶより先に、俺のことを名前で呼んでほしかった。ご褒美だって、俺が最初にあげたかった……って、ごめん。よく分からないよね。俺、なんか変なんだ。ひなるが〝翼〟って呼ぶのを聞くと、モヤモヤしちゃって」

困ったように、葵くんは自分の首に手を当てた。てっきり告白かと思ったけど……私の勘違い、って事だよね?己惚れちゃって恥ずかしい!

「みんな一緒じゃないとムズムズするよね、ごめんね!これからは四条くんのことも〝葵くん〟って呼んでいい?」
「!もちろん」

顔に刻まれた眉間のシワが、キレイになくなった時。私の心臓が、やっと落ち着いた。いつの間にか繋いだ手も離れていて、ドキドキが遠のいていく。良かった、顔の熱さも引いてきた。

(もし告白だったら、心臓が爆発してたよ。葵くんが私のことを好きなんて、そんなことあるわけないのに。早とちりしちゃった)
――ツキン

まるで小さなトゲが刺さった痛みが、胸をおそう。その正体をつかめないでいると、葵くんが「そう言えば」と。持っている袋を揺らした。

「これ俺の部屋で食べない?皆には内緒で」
「それって……」

部屋の中、葵くんと二人きりってこと⁉さすがにダメな気がする!って思っているのに……あの袋に入ってるのは〝期間限定〟のおかしたち。

「ご一緒させてください!お願いします!」
< 56 / 114 >

この作品をシェア

pagetop