超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「部屋の中なら小声で話せるかな……ひなる?」
「あ、ごめん。つい」
ジロジロ見るのはよくないって分かってるんだけど、男子の部屋に入ったことないから新鮮。葵くんの部屋はグレーが多くて、なんだか落ち着く。
「葵くんの部屋って感じだなぁ」
「そうかな」
葵くんはいくつかおかしを開け、取りやすいようお皿に広げた。キッチンから借りたのかな?本当にパーティみたい!
ウキウキする私の前で「そう言えばさ」と。手を動かしながら、葵くんが尋ねる。
「さっき翼と話してた?」
「うん。ポスターのお礼を言っていたの。それに、おかし調理部に入ってくれるって言うから、ついはしゃいじゃった!」
「おかし調理部って、さっきのポスターの?」
ポカンとした顔の葵くん。そういえば、葵くんには部活のことを話してなかった。
おばあちゃんとの思い出を含め、今までの経緯を説明する。その間、葵くんはおかしに手を付けず、真剣に聞いてくれた。
「――というわけで。あと五日の間に、八人の部員が必要なの」
「ポスターは勧誘のためだったんだ。てっきり誰かの手伝いをしてるのかと思った」
「私って、誰かを手伝う人に見える?」
「うん。だって優しいから」
「!」
性懲りもなく、心臓がドキドキする。葵くんの目には、そんな風に私が写ってるんだ……嬉しいな。
照れ隠しでおかしを口に入れると、想像以上のおいしさに、つい顔がほころぶ。その後も夢中になって食べていたから「また翼に先をこされちゃったな」と言った葵くんの声は、私に届かなかった。