超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「葵くん、これ食べてみて。美味しいよッ」
「あ、本当。好きかも」

教室で見ない、リラックスした表情。初めて見る葵くんの顔だ。

(もっともっと、色んな顔を見てみたいな)

だけど平和な時間は、迫り来る足音によって終わりを告げる。
――ダダダ!

「まずい、ひなる隠れて」
「う、うん!」

私を布団に入れた後、ベッドに腰かける葵くん。その瞬間に扉は開かれ、息を切らせた遊馬先輩が立っていた。

「ひなちゃんは!?」
「知らない」
「ひなちゃーん!!どこー!?」

早、もう出て行ったよ!呆然としていると、布団をめくった葵くんが「もう大丈夫」と。私に筋肉質な手を伸ばす。

「遊馬先輩、何の用だったんだろう」
「ひなるを探してるみたいだったから、今のうちに出ていった方がいいかも」
「そうだね……」

パーティは始まったばかりだけど、仕方ないよね。落ち込んでいると、葵くんが頭をなでる。

「そんな顔しないで。またすればいいんだから」
「また、していいの?」
「っていうか、俺がしたい」
「ふふ、私も!」

私たちは内緒の指切りをして、解散した。美味しいおかしを食べられたし、部屋を出る前に葵くんに「おやすみ」って言えたし。すごくぜいたくな時間を過ごした気分。

(秘密のパーティー楽しかったなぁ~……ん!?)
「ぐす、ぐすっ」
「あ、遊馬先輩……?」

私の部屋の前で体育座りをする人物。半泣きの遊馬先輩が「ひなちゃ~ん」と、子犬の目で私を見つめた。
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