超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「もう放課後か……今日も生徒会室に行ってきます」
「無理しないでよ、ひなる?」
「ちょっとくらい無理しても大丈夫だよ。明日が会議本番で、生徒会最後の日だから。じゃあね、アキラちゃん」
「うん……」

私が見えなくなるまで、ずっと手を振るアキラちゃん――悲しそうなアキラちゃんに気付いたのは、既に部活に行ったはずの葵くんだった。

「……何かあったの?」
「四条くん。あれ、部活は?」
「忘れ物。今日はひなると一緒じゃないの?」

アキラちゃんは「はぁ」とため息をつく。そしてどこを見るでもなく、頬杖を突きながら本音をこぼした。

「実は、ひなるが心配でさ」
「何かあったの?」
「四条くん知らない?ひなる、三日間限定で生徒会に入ったんだよ」
「え――」

聞いた途端、葵くんは目が点になる。だけど心当たりがあるのか「なるほど」とアゴに手を添えた。

「どうりで、最近おかし調理部の話を聞かないわけだ。にしても、なんで生徒会?」
「遊馬先輩の頼みで断れなかったみたい。明日は合同会議があるから、今日も資料作りで生徒会室に行ってるよ。あの子って真面目だから、しょい込み過ぎてるんじゃないかって心配なんだよね」
「滝本さん、教えてくれてありがとう。ひなるの事は心配しないで」
「それってどういう……あれ?」

聞き返した時、もう教室に葵くんはいなかった。あまりの俊足に、今度はアキラちゃんの目が点になる。

「〝心配しないで〟って言ってたし、ひなるの事を助けに行ってくれたのかな?なら安心だ。ってか四条くん、ひなるって呼んでるんだ」

さっきの四条くんの必死な顔を思い出し、キャーと赤面するアキラちゃん。「いや〜青春だなぁ」と、葵くんと私の机を交互に見ていた。
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