超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
一方――
そんな会話があったと知らない私は、途中で会った遊馬先輩と生徒会室を目指していた。イケメンで愛嬌もいいからか、遊馬先輩はナツ校の人気者。副生徒会長の肩書きもモテるらしく、すれ違う女子が「私も生徒会に入りたい!」と目を輝かせていた。
「あぁいう子たちを生徒会に入れないんですか?」
「ん~あはは。どうしようかな」
あれ、はぐらかされた?違和感を覚えたと同時に、生徒会室に到着する。中に入ると、生徒会のラストメンバーが、シャーペンを片手にペコリとお辞儀した。生徒会・監査。三年の淀橋(よどばし)一富美(ひふみ)先輩だ。眼鏡をかけた、真面目な男の人。
「副会長、会議で使う資料のコピーが終わったぞ」
「ありがとう、助かる~。じゃあ明日の流れを確認した後、皆でホチキスで止めよう」
遊馬先輩は、淀橋先輩に敬語を使わない。淀橋先輩も、タメ語は気にならないみたいだ。信頼関係があるみたいで、なんかいいなぁ。
「千里さん、手が止まってる。結構な数があるから急ぐように」
「は、はい!」
淀橋先輩、動きに無駄がないし早い!さすがベテランだ。私も続くぞ!と意気込む横で、遊馬先輩が「ん?」と。何かに気付いたのか手を止めた。
「ココのグラフ、数字が間違ってる〜」
「え……あ、私のミスです!」
見直ししたはずなのに、私のバカ……!
遊馬先輩は笑ってくれたけど、淀橋先輩は明らかに怒っている。それもそうだ。だって三十部の冊子のうち、もう半分ほどホチキスで留め終わっているもん。今からコピーし直して、ホチキスを止め直して――時計を見ると、18時半。あと30分で最終下校だけど、今から間に合うかな!?