超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「遊馬先輩って学校のことを、すごく思ってくれてるんですね」
「んなわけないでしょ~。買いかぶりすぎだって」
「いえ。私が学校生活を楽しく送れるのは遊馬先輩たちのおかげなんだって、今わかりました!」
「……言ったでしょ、ぜんぶ適当だって。この資料だってさ、修正テープでちゃちゃっと直そうよ」

間違ったグラフを、トントンと指でつく遊馬先輩。でも、それって先輩は嫌じゃないのかな。どんな時でも真剣で、真面目に仕事をこなす先輩だからこそ、間違いのない資料の方がいいよね?

「私……コピーし直してきます。先輩たちは先に帰ってください。後は私がやっておきます、任せてください!」
「ちょ、ひなちゃん!?」

グラフのデータを保存しているUSBを持って、パソコン室を目指す。遅い時間だからか、パソコン室には一人の生徒もいなかった。

「よし、さっそく直すぞー!」

修正が終わり、再び30部印刷する。これを生徒会室へ持ち帰り、半分ほど終わったホチキス止めを解いて、ページを差し替えて、それから、またホチキスで止めて……。

「ほ、本当に終わるのかな……?」

先輩達には見栄を張ったけど、私一人で最終下校までにやれるのかな。間に合うのかな。もしも間に合わなかったら、寮に持って帰っていいのかな。あぁ、でも個人情報うんぬんで、持って帰れないだろうな。

「……っ」

焦ると心細くなり、目に涙がたまる。私、一人で突っ走った。もし明日までに間に合わなかったら、遊馬先輩と淀橋先輩はガッカリする。せっかく褒めてくれたのに。

「うぅ~……っ」

心細さがついに限界を超え、涙が溢れてほほを伝う。
その時だった。
――ギュッ
あたたかな体温が、後ろから私を包み込む。見覚えのある筋肉質な手。これは……
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