超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「葵くん……?」
「七海さんに聞いたら、ひなるはココだって聞いて……ごめん、遅れた。本当はもっと早く来たかったのに、サッカー部の顧問と話しが合わなくて」
(部活を抜け出して来てくれたんだ……!)

走ってきてくれたのか、息切れしている。必死になって私を追いかけて来てくれたのかな……私のために?

「滝本さん、心配してたよ。ひなるが頑張りすぎてるって」
「アキラちゃんが?」
「そして俺もね……みずくさいよ、ひなる。こんな時こそ俺を頼ってよ」
「……うん」

葵くんがそばにいてくれる安心感に、また泣きそうになる。後ろから回された葵くんの腕を、少しだけ握り返した。

「でも夏に大会があるって言ってなかった?練習に出ないと」
「今日練習に出なかったくらいで、磨いた技術はなくならない。でも、ひなるは違うでしょ?ひなるは〝今〟誰かに助けてほしいでしょ?」
「……っ」

そう。そうなんだよ、葵くん。私ね、意地はって、間違っちゃった。褒められたことが嬉しくて、舞いあがってたの。

「ごめん、葵くん……助けてっ」
「うん。よく言えました」

私から離れた葵くんは「はい」と。一枚の紙と、一つのチョコを渡す。

「ひなるに受け取ってほしい」
「これ……入部届!?」

部活名の欄に「おかし調理部」。名前の欄には、やや達筆な字で「四条葵」と書かれていた。
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