超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「ひなちゃん残して帰るわけないでしょ?」
「ホチキスは全て外しておいた。すぐ差し替えするぞ」
「~っ、はい!」
感動して泣きそうになっていると、ポンと肩を叩かれる。見上げると、葵くんが「良かったね」とほほ笑んでくれた。
結局――4人で作業をし、無事に資料作りが終わる。今は葵くんと遊馬先輩と私で、寮に帰っている途中。
すると私を心配したアキラちゃんから、電話がかかってくる。二人と距離をとって、私は電話に集中した。
一方、残された二人は……。
「ひなちゃんって不思議な子だよね。今まで会ったことのないタイプ。ねぇ葵クン、俺がひなちゃんを好きって言ったら、どうする?」
「は?どうするって、」
驚く葵くんを見て、遊馬先輩はニヤリと笑みを浮かべる。
「前、ひなちゃんと二人きりで葵クンの部屋にいたよね?あれは葵クンから誘ったんでしょ?ってことは、葵クンも俺と同じってわけだ――
ひなるちゃんのことが好きだよね?」
「……」
二人して、電話中の私を見る。その視線に気づいた私が、控えめに手を振った。遊馬先輩が私に手を振り返しながら、ちらりと横目で葵くんを見る。
「その顔、まさか自覚なし?でもウカウカしてたら、俺が横からかっさらうよ。それでもいいなら、今まで通りサッカーに没頭しててね、葵クン♡」
「……」
その時、電話を終えた私が合流する。だけど、なんだか妙な空気。重たい、というか。
「何かありました?」
「……別に」
「なにも~?」
たまに訪れる沈黙に気まずさを覚えながら、3人で帰宅する。玄関に入った時、氷上先輩特製シチューの匂いに、お腹の虫が元気よく反応した。