超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「グラフが分かりにくい。結局、何が言いたいんだ?」
「えっと、ここは……」
「棒グラフじゃなくて円グラフを使うべきだ。そもそも、なんでパーセンテージで比較しなかったんだ」
「す、すみません……」

そんなこと言われても、わからないよ。下書きを参考に作っただけだもん……っ。相手は三年生なのかな?私を見る目が怖い。しかも「どうなんだ」って言われても……答えないといけないのかな。でも、何て言ったらいいんだろう?
緊張から上手く言葉が出ないでいると、隣に座る葵くんが「いいですか?」と手を挙げた。

「今は会議中であって、ディベートではありません。良い資料作りを目指したいなら、お一人でどうぞ。俺は完璧なグラフだと思いますよ」
(葵くん……)

先輩相手に怯みもせず、私を助けてくれたんだ。凹んだ心に、葵くんの優しさが積もっていく。それだけじゃなくて。

「葵くんの言う通りだね」

なんと他校である氷上先輩も、私のフォローをしてくれた。

「楽しい体育祭をするためには、まず俺たちが仲良くしないとね。このグラフはよく出来てるよ。よどくん、どうせなら粗探しじゃなくて、よく出来てる部分を褒めなよ」
「……わかった」

よどくん、と言われたフユ校の人は、渋々うなずいた。怖そうな〝よどくん〟を黙らせるなんて……「氷の生徒会長」って噂は本当なんだ。

「すみません、おかわりを……」

ピリッとした空気の中。隣の淀橋先輩が白湯のおかわりを要求する声が、会議中、何度も聞こえた。
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