超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
白熱した会議の結果――
予算の話は折半で終わり、両者痛み分けとなった。取り分を多くしたかった遊馬先輩は残念そうにするも「まぁこっちが減らされなかっただけ大成功かな」と気が抜けたように笑った。
今は、みんなで会議の後片付け中。長机を移動させようとした時、机の反対側に氷上先輩の手が添えられる。
「千里さん、会議に付き合わせちゃってごめんね。俺、怖かったでしょう」
「氷の生徒会長って噂、納得しました」
「ふふ、知ってたんだ。良いネーミングだよね。俺の名前の〝氷〟も入ってるし」
氷上先輩、氷の生徒会長……あぁ、確かに!
だけど和菓子をくれた時のことや、さっきかばってくれた事を思い出す。
「でも先輩の雰囲気って、名字より名前ですよね」
「名前?」
「紫温って、温かいって漢字じゃないですか。和菓子をくれたことや、さっきの会議中、他校なのに私をかばってくれたこと……先輩の優しさって、全部ぜんぶ温かいんです。だから私の中で氷上先輩は、名前の印象が強くて……あ、そうだ!
これからは氷上先輩じゃなくて、紫温先輩って呼んでもいいですか?」
「!すごいタイミングで名前を呼んじゃうんだね、千里さんは……」
紫温先輩を見ると、口に手を当て、少しだけ頬が染まっていた。もしかして照れてる?名前で呼ぶの慣れ慣れしかったかな?不安に思っていると、さっきの会議とは打って変わって、大人しい挙手をした紫温先輩。