超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「俺、ひなるが笑ってくれると嬉しい。でも翼と話してひなるが笑うのは、なんか嫌なんだ」
「はぁ?まだ付き合ってもねぇのに独占欲丸出しかよ。どうしようもねぇな」
「独占欲……?」

すると翼は「知らねぇの?」と、チラリと横目で俺を見る。

「好きな人に芽生える、独り占めしたいっていう欲だ」
「独り占め?」
「お前がひなるを〝自分だけのものにしたい〟って思ってんだよ」
「!」

ひなるの事になると焦ったり、大胆になったり、気持ちが明るくなったり、どんよりしたり。気持ちが忙しくなく変わってしまうのか不思議だった。でも、そうか……
これを「恋」っていうんだ。

「ありがとう、翼」
「気色悪ぃ。浮ついた顔で俺を見んな」

一年生組が落ち着いたのを見計らったのか。七海さんが「これで本当に全員、だね」と。まるで点呼をとるように、ひなるへ片思いしている俺らを見回した。

「それで、ひなるを好きだから何?」
「自覚した途端に開き直る葵クン好きだよ~。じゃあ本題に入ろうか。
俺らは一緒に住んでるから、ルームメイトであり友達じゃん?だから例え恋のライバルであろうとも、この前の葵クンみたく、コソコソ密会するのは、いかがなものかと思ってさ」
「は⁉密会!?」
「葵くん、説明してもらおうかな」
(まずい……)

翼は鬼の形相で睨んでくるし、紫温さんは笑顔だけど逆に怖い。七海さん、わざわざバラさなくてもいいでしょ。恨みがましく張本人を見ると同時に、とんでもない提案がなされた。
< 76 / 114 >

この作品をシェア

pagetop