超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「こうやってギスギスするのも嫌だから、正々堂々ひなるちゃんとデートできる権利を作ろうと思ってね!そろそろ体育祭でしょ?今日の会議で分かったんだけど、俺たちみーんな違うチームになったんだよね。この意味わかる?」
「「「‼」」」
七海さんの言いたいことを全員が理解し、納得した。つまり――
「体育祭で優勝したチームが、ひなるちゃんとデートできるってわけだね」
「そう!誰が勝っても文句なし。正々堂々、二人でデートを楽しめるよ~!」
七海さんの言葉に、皆が目を光らせた。さっきまで俺を見てゲンナリ顔だった翼も、今では吊り上がった目を更に鋭くさせている。いつも穏やかな紫温さんも、早々にスマホで何やら検索し始めた。でも、よからぬ気配がしたのか。七海さんが「こら」と、紫温さんのスマホを奪う。
「生徒会長の権力を使って優勝しても、無意味だからね~?」
「さぁ、なんのこと?」
「笑顔でごまかそうったって無駄だよ!さっそく副生徒会長に怪しいメール送ろうとしてるじゃん~!」
紫温さんのスマホの画面が、俺らに見えるよう向けられる。そこにあったのは、信じがたい文章。
【 優勝するための裏ルート作戦について 】
「まさか紫温さんがそんな人だったなんて……一瞬で軽蔑した」
「俺もドン引き。同じ学校の生徒会長が、なんちゅーモラル違反だよ」
「そうだ、そうだ!卑怯だぞ~!」
皆が立ち上がって文句を言うも、紫温さんは悪びれることなくスマホを奪還する。顔には、珍しく渋い表情が浮かんでいた。