超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「だって想像してみてよ。もし負けたら、自分以外の誰かが、ひなるちゃんとデートするんだよ?」
「「「……」」」

想像、する前にやめた。自分以外の誰かがひなるとデートなんて、考えられないし考えたくもない。

「ね、嫌だよね?だから、どんな手を使っても勝ちたいかな、俺は」
「だとしても〝正々堂々〟って言ったでしょ~。もう、紫温クンは見た目に寄らずアツいんだから」
「不正はダメだろ、フツーに考えて」

ズルをして優勝しようとする紫温さんは、そりゃダメだけど。でも言い換えれば、ズルをしてでも優勝したいんだ。それほど、ひなるとデートがしたいんだ。紫温さん、ひなるのことが本当に好きなんだな。
でも……それは俺もだから。何でが何でも優勝させてもらう。

「正々堂々と優勝すれば、誰からも文句を言われないんだよね?」
「そうだよ~ヤル気になった?正直、この勝負に乗ってくれるか、葵クンが一番心配だったんだよね。ほら君ってサッカー命じゃん?」

七海さんの言う通り。昔の俺はそうだった。サッカーしか目がなかった。だけど、今は――大切なものはそれだけじゃないって、気づいたんだ。

「あれ?皆さん集まって、どうされたんですか?」
(ひなる……)

教室にいても、寮にいても。どこにいる君だって見つけたいと思うんだから。俺の頭の中、少しずつ変わって来てるんだよ。サッカーだけじゃなくて、もう一つ、この手で大事にしたいものが出来たんだ。
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