超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「ひなるちゃん、お風呂から出たの?あ、髪を乾かさないと風邪ひくよ?俺が乾かしてあげる~」
「でも、」
何か話されていたんじゃ、と言いかけるひなるに、紫温さんが手を振った。
「美味しいアイスがあるから、皆で食べようって話してたんだ。待ってるから、髪を乾かしておいで」
「わ~、アイス!分かりました、すぐ乾かしてきますっ」
スリッパの音が遠くなった時。今まで静かだった翼が、重たい頭をテーブルに置く。
――ゴトン
「風呂上りとか、目に毒だろ。なんで一緒の寮なんだよ……」
翼の耳は、リンゴのように真っ赤だ。案外ウブらしい翼の新たな一面を見て、俺と紫温さんは思わず笑った。
「好きな人と一緒の寮なんて最高じゃないの。今では父さん(理事長)に感謝してるよ。同じ寮に住めて、毎日ひなるちゃんと会えるからね」
「しかも体育祭は一緒に出来る……」
やったぜ、と思いのほか前向きな翼。二校一緒の体育祭は毎年かなりの盛り上がりを見せるらしい。そこに他校の好きな人と一緒に参加できるとなれば、テンションが上がるのも無理はない。
すると紫温さんが「翼くんは会議にいなかったから知らないよね」と。会議中にくじ引きで決まったチーム分けを、冷蔵庫に貼ったホワイトボードに書いていく。