超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

すると冷え切った空気を、さらに凍らせる冷たい声が響く。

「この寮では絶対うるさくすんなよ。分かったか?」
(こく、こく)

白石くんの後ろに鬼が見える……!あまりの迫力に頷く事しかできなかった。すると遊馬先輩が「つれないなぁ」とヤレヤレのポーズをとる。

「翼クンってば、すぐに〝うるさい〟だの〝黙れ〟だの。そんなんじゃ女の子にモテないよ~?」

その言葉に反応したのは、白石くんではなかった。あの柔らかい笑みを浮かべる人だ。

「入学手続きで翼くんを見たけど、女子からの反応は満更でもなかったよ」
「翼クンってモテるの?うそー!意外だよ!」
「だー、もう。うっさい!紫温さんも黙って!」

「紫温さん」と呼ばれた人は、メガネをかけたら似合いそうな、スラッとした顔だちだ。先生から「フユ校の生徒会長」って言われてたっけ。遊馬先輩と同じくらい背が高い。というか、イケメン全員が高身長。ハイレベルな領域における、どんぐりの背比べだ。

「三年A組、氷上紫温。フユ校で生徒会長をやっているよ」
「ってことはフユ校の生徒会長に、ナツ校の副生徒会長が、同じ寮にいるって事ですか。なんかスゴイですね!」

拍手しながら言うと、遊馬先輩は笑った。

「副生徒会長っていってもさぁ、ナツ校の生徒会長は今ボイコット中。だから俺が生徒会長代理で〝合同会議〟に出てるんだよ~。もう最悪!」
「合同会議?」
「校舎は分かれているけど、部活を始め文化祭や体育祭は合同で行うんだよ。そういう打ち合わせを、二校揃って定期的に行ってる。それが合同会議」
「なるほど、大変そうですね」

すると遊馬先輩の顔に、影が落ちる。
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