超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「あ、あああ、葵くん⁉これは皆に誤解されちゃうから、一秒でも早く離れないとマズイよ⁉」
「……むぅ」
必死な顔の私を見て、葵くんはしぶしぶ私を離す。そして何事もなかったように、すたこらさっさと歩きだした。すごいマイペース!
だけど、一部始終を見ていた女子の悲鳴は続く。
「ちょっと!あなた葵くんの、」
「すみません、誤解なので!」
広まりそうになった誤解を、ペコペコ謝りながら解いていく。小走りで葵くんへ追いつくと、彼の顔はどんより曇っていた。
「そんな必死に否定しなくてもいいのに……」
「でも、女子から誤解されたままだとマズイからさ」
「俺は平気だけど?」
「え?」
予想しない言葉に、思わず足が止まる。廊下は生徒で賑わっているのに、耳に入ってくるのは葵くんの声だけ。葵くんの、真っすぐな声だけ。
「俺はひなると噂されてもいいよ。さっき抱きしめたのも半分わざとだし」
「わ、わざと?」
「ひなるは?俺と〝付き合ってる〟って噂になるのは嫌?」
「嫌、っていうか……えっと」
どうして葵くんは、真剣な顔でこんな事を言うんだろう。
まさか葵くん、私のことを――
「……ごめん、困らせた。教室に行こ」
私を数秒見つめ、教室に入った葵くん。だけど、私は足が動かなくて。さっき葵くんから言われた言葉が、頭の中で回り続けている。